4人目の嫁は鳴柱様【無限列車編】 (ページ4)

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杏「うむ!そういうことか!承知した!」

『よろしくね、炭次郎』

炭「はい。それと、もう一つ……煉獄さんに聞きたいことがあって」

神妙な面持ちで炭次郎はそう呟いた。Aは炭次郎をじっと見る。亡くなった弟・春信に似た顔立ち。赤い瞳が、それを彷彿とさせた。

炭次郎は杏寿郎に、“己の父は病弱だったが、神楽を踊れたこと”“咄嗟に出たヒノカミ神楽について”。杏寿郎が知っていれば、教えてほしい、と聞いてきた。

『(ヒノカミ神楽………)』

杏「うむ!だが知らん!」

炭「えぇ!?」

杏「ヒノカミ神楽という言葉も初耳だ!君の父がやっていた神楽が、戦いに応用できたのは実にめでたいが、この話しはこれで終わりだな!」

『私も聞いたことないわ。ごめんなさいね』

杏「俺の継ぐ子になると良い!面倒みてやろう!」

炭「待ってください!そして何処を見てるんですか!」

炭次郎の方を見ないで明後日の方向を見ながらそう言い放つ杏寿郎。炭次郎の正論な突っ込みに、Aは思わず笑ってしまった。

杏「炎の呼吸は歴史が古い」

『そうね。炎と水の剣士はどの時代にも必ず柱がいた。炎、水、風、岩、そして私と善逸が使う雷が、基本の呼吸よ』

杏「他の呼吸はそれから派生して出来たもの。霞は風から来ている。溝口少年!君の刀は何色だ!」

炭「えぇ!?俺は竃門ですよ。色は黒です」

杏「黒刀か!そりゃキツイな!ハハハハ!」

そう豪快に笑う杏寿郎。それとは裏腹に炭次郎は不安になりAに「キツイんですかね」とおずおずとたずねた。

『黒刀の剣士が柱になったとこを見たことがない。さらにどの系統を極めればいいのか分からないらしいの』

炭「…………、」

杏「俺の所で鍛えてあげよう!もう安心だ!!」

炭「いや!いや!!そして、どこを見てるんですか!」

炭次郎の正論な突っ込みに、またAは笑った。やはり炭次郎といると面白い。反対側の座席では、この列車に上機嫌な伊之助が窓から顔を出していた。それを善逸が必死に止めていた。

伊「わはははっ！すっげぇすっげぇ!早いぜ!わははははっ!」

善「危ない、馬鹿この!」

伊「俺、外に出て走るからどっちが早いか競争する!」

善「馬鹿にもほどがあるだろ!」

善逸が伊之助に怒鳴った。

『「………危険だぞ／よ」』

２人が口を揃えてそういった。

『いつ鬼が出てくるか分からないのよ』

善「………え、」