報告 壱 ページ27
善「えーーーっっ！Aさん、柱引退しちゃうんですか！？」
蝶屋敷の縁側。任務から戻った善逸が怪我で蝶屋敷にいると聞き、Aは足を運んだ。
『右目と右耳を失ってまともに戦えなくなった。だから、自ら柱を引退したの』
善「そう……ですか。俺、明日非番だから稽古つけてもらおうと思ってたのに」
『稽古つけるのは大歓迎よ。今後は若手育成のために後方に回るから。善逸が非番の時は、いつでも私のとこに来なさい』
善「はい！！ありがとうございます！！」
元気良く返事をする善逸の頭を優しく撫でる。ふわふわの金色の髪。最初見た時よりも逞しくなった体。以前彼は、自分のことを“弱い”と言った。
『善逸』
善「………はい」
『善逸は弱くない。それは私が保証する。人一倍努力している善逸を、私は知っているから。だから、もし今後辛いことや泣きたいことがあっても、その努力した日々のことを忘れないで』
善「Aさん………」
善逸の顔が歪む。
善「……っ、俺、俺っ！頑張ります！！」
『えぇ。期待してるわね』
善逸は再び元気に返事をした。Aはもう一人、報告しなければならない人物を思い出した。
『善逸。稽古見るの、また今度でも良いかしら』
善「……え？」
『ちょっと、用事思い出しちゃって。どうしても外せない用事なの』
善「俺は全然！そっち優先してください！」
『ありがとう』
Aは思い出していた。
己を強くしてくれた師・桑島慈吾郎のことを。
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fruit - 作品に文句を付けている訳では無いんですけど、桑島さんって、お亡くなりになられていませんでしたっけ。 (2021年8月29日 7時) (
レス) id: 80d0b24791 (このIDを非表示/違反報告)
李猫(プロフ) - 完結おめでとうございます！とても面白かったです。 (2021年2月17日 9時) (レス) id: 893699292a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ななこ
| 作成日時：2020年12月25日 20時
