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377:子狼の彼女 ページ27

A side






子狼の兄達が小屋の外に出ていったタイミングで、

女の子と思われる子狼が小さくため息をついた。

その後、彼女は腰に刺していた短剣を手に取ると、
私の方へと刃先を向ける。



***「....もし祈るなら早くして、
私達早くこの小屋から出なきゃいけないし。」


そう言う子狼の彼女の瞳は小さく揺らいでいる。



『....ここ、家じゃないんですか?』




***「は!?
こんなボロ小屋が私達の家な訳ないでしょう、
ここはアジトよ。」ギロッ




『...ごめんなさい。
ただ、
このご時世だから色々大変な方も居ると思って..』ペコリ




***「....べ...別に謝らなくてもいいわよ。
変な子供ね...」




『あの、もし祈る時間が貰えるのなら、
その時間だけ私と

...お話しませんか?』



***「....え?」




私がそう言うと、子狼の彼女は驚いた顔をした。



***「...話って何を..」




『貴女は...
ニンゲンを コロ した事があるんですか?』



***「!?」ビクッ



私の質問が意外だったのだろうか、
彼女はその大きな瞳をまん丸にして私を見ている。



『...もしかして...無いんですか?』



***「.....そうよ悪い!?
私はまだ一体分の経験値しかない。

....私の母親の経験値しかね。」ボソッ



『!?.....お母さん?』


***「....母はニンゲンに胸を一突きされて、
タヒにかけてたの。
そしたら、母が私に

自分に止めを刺すように言ったわ。
だから、私は母を早く楽にしてあげたくて..」




.......本当に......






.....この世界は絶望だらけだ





このまだ幼さの残る声色をしている子狼の女の子。

その瞳は絶望と悲しみから、

今にも泣き出しそうで...



気がつけば私は彼女を抱き締めていた。


彼女は突然抱き締めてきた私を、
ナイフを刺そうと身構える。



『....ごめんなさい、
コロ したかったらこのまま刺して。
その方が....まだ諦めもつくよ。』ポンポン



***「!!」ピクッ




私は、彼女の背中を
小さい子供をあやすようにソッと叩いた。



....子供の姿の私にあやされても
微妙な気持ちになるだけだろうけどな...




***「......何で」



『....ん?』ポンポン



***「...何で..っ」



『....』ポンポン



***「...何で優しくするのッ...」ボロボロ






『...ごめんなさい、
見ていられなくてつい...

泣かせるつもりはなかったんだよ。』

378:痛みを知る者達→←376:それぞれの思惑



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安い麦茶( ^-^)_旦〜 - これでも兄弟なんだよなぁ。Fell兄弟。 (2022年10月8日 9時) (レス) @page40 id: 7220adac43 (このIDを非表示/違反報告)
Murder(プロフ) - ワオ。同化。。化猫恐ろし (2022年10月7日 16時) (レス) id: 4f353dd96c (このIDを非表示/違反報告)
EDD♚ - えっ………ええええええ⁉(なんだこいつ) (2022年10月7日 12時) (レス) @page36 id: 1e11c6997e (このIDを非表示/違反報告)
安い麦茶( ^-^)_旦〜 - 尻尾、太いのかな?触りたい。 (2022年10月7日 7時) (レス) @page35 id: 7220adac43 (このIDを非表示/違反報告)
シャルロット君 - あの化猫が服従!?!?( 'ω')ギャァァァァァァ!いいね、モフりてぇ… (2022年10月7日 6時) (レス) @page35 id: 7e7a54307b (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:黒猫軍曹 | 作成日時:2022年9月30日 23時

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