ﾀﾋのうとして色々あってやっと皆の記憶を消し飛ばしてリセットしたと思ってたのに、あの子は覚えていた。<16>【 Undertale】

763:本来のあの子は可愛いとは無縁 ページ13

A side








....最早







彼を〔シロ〕と言っていいのか分からなかった






今の彼はもう、

リーパーの使いの〔カラス〕に戻っている。








その冷酷無慈悲な瞳には



もちろん私への情なんて微塵も無くて







それでも、



以前の彼を知っている私にとったらそれは





足元に大穴を開けられ



氷水の張った水槽に落とされた程の衝撃だった。











自分が望んだんだ



...もう...取り返しはつかない









そう頭では分かっていたつもりでも



こうして親しかった者から


殺気を剥き出しにされるのは







身が裂けるように辛かった。









『...ご....ごめんなさい...』



サンズ「...おい、ここはオイラの家だぜ。

何処の誰かは知らないが、
用が無いならとっとと帰ってくれ。」ｼﾞｯ








サンズは、


震えが止まらない私の肩を支えると


私が顔を向けている方を見つめてそう言い放った。









―――――ふん、貴様に言われずとも――――





――――用事を思い出したら帰る―――――――






――――我が主がお待ちであろうからな――――――









シロは少し苛立ちながらそう答えると


今度はその鋭い瞳を私に向けてきた。







―――――....そう言えば―――――――






―――――何故突然とサンズが私を認識した?――――――









―――それまで私が悪態をつこうが―――――




――――寝顔に油性マジックで落書きをしようが―――





――――全く気がつかなかったと言うのに―――――







サンズ「おい待て、オイラの顔面に
バカとかウンチマーク書いたのお前だったのか、
落書きの発想が小学生じゃねぇか！」ﾋﾟｷｯ









――ふん、貴様がアホ面で寝ているのが悪い―――






――我が主なぞ書く前に鎌で真っ二つにされたぞ―――












『...書こうとしたんだ....』








それもﾀﾋ神相手に....



やはりこの子のメンタルは鋼だ


















―――――――――だが問題はそこではない―――――――――













――――――――ブワッ――――――――――





サンズ「!?うおっと、」ｸﾞﾗｯ











彼はそう言うと



突然空間がねじ曲がり、




辺りは霧の立ち込める森へと景色を変えた。











....何か










嫌な予感が...











―――娘、貴様只のニンゲンではないだろう?―――









彼はさも、楽しそうに瞳を歪めた

764:シロはホームシックになった→←762:懐かしい声、知らない瞳

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す