被害 ページ39
病院に到着すると中も外も大勢の人で溢れてた。
私はとりあえず水だけもらって外に出る。
「…あ、あ、あー」
声は少しなら出せる。
正直、今にも意識を失いそうだけどそういう訳にはいかない。
お兄ちゃんを探さないと。
ふらふらする足取りで病院内や外を歩き回ってるとお兄ちゃんの事務所の相棒を発見。
慌てて腕を掴んだ。
「…君は」
「お兄ちゃんは、無事ですか…」
そう聞くと俯いた。
相棒の人が言うにはお兄ちゃんは意識不明で運ばれたらしい。
大型敵が侵攻して来ていると連絡を受けたお兄ちゃんたちはソレを止めるために敵連合と接触。
住民や他のヒーローたちを庇って荼毘に焼かれ続けたと。
「荼毘…アイツは狂ってるよ、俺たちが止めようとしたんだけど気絶したサボさんにすら執着して離れなかった。
Aちゃん本当にごめん」
そう言って頭を下げられた。
「お兄ちゃんは生きてるんですよね」
「生きてるよ、でも目を覚ますかどうかは…」
生きてる、今はそれだけでいい。
最悪の事態も想定してはいたけど生きててくれるならいい。
「分かりました」
「…サボさんからAちゃんに…"俺は大丈夫"って伝えてくれって」
脳裏に浮かぶお兄ちゃんの笑顔。
涙が出そうになるのを堪えてお礼を言い別れた。
燈矢くんが落としていったお兄ちゃんのクラバットを握りしめて少し病院から離れた。
「大丈夫、大丈夫」
これから先どうなるか不安で自分に言い聞かせた。
A組の皆は無事なのかな、回原くんたちは無事かな…色んな事をぐるぐると考えてた。
燈矢くんは轟くんやエンデヴァーへの精神的ダメージに私を選んだ。
どこで間違えたんだろう。
林間合宿に敵連合が来なきゃお兄ちゃんは死ななかった？
私が轟くんと仲良くしなきゃお兄ちゃんは死ななかった？
エンデヴァー事務所にインターンに行かなきゃよかった？
「…間違ってないよ、絶対」
あの時こうすれば良かったって後悔は無意味だ。
たとえ、私が燈矢くんのした事に巻き込まれた"被害者"だとしても轟くんやエンデヴァーの味方でいよう。
そんな事を考えてると突然眠気に襲われてそのまま眠ってしまった。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 220人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
ちらす(プロフ) - マコ。さん» ご指摘ありがとうございます。一部誤字があったのは気付いていたのですが直していなかったので直させていただきました。誤字については他にもたくさんあると思いますが暖かく見守っていてくださると嬉しいです。 (2月25日 1時) (
レス) id: 5c6a50faa0 (このIDを非表示/違反報告)
マコ。 - ベストジーナストじゃなくてベストジーニストです。 (2月24日 22時) (レス) @page35 id: df9fd7219e (このIDを非表示/違反報告)
ちらす(プロフ) - ふ れ ん ち と ー す とさん» コメントありがとうございます♡6期までかなり長い道のりでした(笑)バトルシーン難しいですが楽しんでいただけるようにがんばります(^^) (10月26日 19時) (レス) id: f63bdb0683 (このIDを非表示/違反報告)
ふ れ ん ち と ー す と(プロフ) - アニメ第6期らへんのとこ書いてくれる人すくないのでめちゃくちゃありがたいです！！😺😻 (10月26日 18時) (レス) @page33 id: 29f783bac3 (このIDを非表示/違反報告)
ちらす(プロフ) - 月姫さん» またまたコメントありがとうございます！月姫様にコメントいただけるの実は楽しみにしてました(ˊᵕˋ)♪今回も更新頑張りますのでよろしくお願いします♡ (10月13日 0時) (レス) id: 673d919b26 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：ちらす
| 作成日時：2023年10月12日 13時
