No.4過去編 ページ6
轟焦凍side
「焦凍君の個性を考慮して、外で行いましょうか。
その方が彼の個性を最大限に発揮させやすい」
カタストロフィの提案で、二階堂家の裏庭で手合わせを行うことになった。
連れてこられた裏庭は、訓練に適した平坦な場所で、普段二階堂が稽古をしている所だそうだ。
随分広い裏庭だ。
二階堂家はかなり裕福なのだろう。
「ああ、言い忘れてましたがAの個性は“汚染”。
体内から靄を放出させ、相手や自分を汚染するものです。自分の身体能力を格段に上げることもできるし、相手の弱体化も狙える。その力は未だに未知数。
…焦凍君にはそれを肌で感じていただけたらいいんですけどね。
そろそろ始めてましょうか。
『始め』」
俺はすぐに距離を詰めようとしたが、彼女はこちらを見つめるだけで動く気配はない。
ぼーっと突っ立っている。
隙だらけだ。
最強の個性だと言われていたが、本当にそうなのだろうか？
彼女の個性の“汚染”とは何なのか？
行動を変更して、氷結を彼女を狙うように発生させる。
しかし二階堂はまたもや何も反応を見せない。
無抵抗のまま、彼女の体は氷に包まれていく。
『…“アザゼル”。私を汚染させて』
しかしその瞬間、二階堂から黒い靄が生み出され自身の身体を包み込んでいった。
少女の様子が変わる。
地面に張り付けられた足にまとわりついた氷結を、いとも簡単に破壊した。
驚いて一瞬隙を見せた俺が全く反応できないくらいの凄まじいスピードで彼女は一気に距離を詰め、蹴りをかました。
「があッ！！」
今までに受けたこともないような速くて強烈な蹴りで、体が遠くまで吹っ飛ばされる。
何とか起き上がろうと試みるが、地面に強く叩きつけられた体は痺れていて立ち上がれない。
勝負は一瞬で決まった。
動かない体に苛ついて、震える手をギュッと握りしめた。
＿悔しい。
こんな敗北は初めてだった。
二階堂は肩から、黒い靄を出したまま、まだまだ余裕そうにしている。
その黒い靄は人の形のように見える。
恐らくこれが彼女の個性だろう。
この靄が、身体能力を爆発的に上げている。
カタストロフィは自分の娘が圧勝したことへの喜びを隠しきれないようにニヤリと笑って言う。
「…勝負あったようですねぇ。
焦凍君の怪我が心配だ、すぐに彼を医務室へ」
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すみれ汁 - ささくれさんコメントありがとうございます！面白いと言ってもらえてとても嬉しいです！！これからもがんばりますね！ (2018年8月27日 22時) (
レス) id: 7a4e0b7ca5 (このIDを非表示/違反報告)
ささくれ(プロフ) - すみれ汁さん» すごく面白いです〜！！面白すぎてもう続きが楽しみです！！更新頑張ってくださいー！！ (2018年8月25日 17時) (レス) id: 77996c6491 (このIDを非表示/違反報告)
すみれ汁 - さーとうさんコメントありがとうございます！これからもいい小説が書けるように頑張ります！ (2018年8月9日 20時) (レス) id: a69c838f60 (このIDを非表示/違反報告)
さーとう - 更新楽しみにしてます！頑張ってください(о´∀`о) (2018年7月24日 12時) (レス) id: afcde5e08d (このIDを非表示/違反報告)
すみれ汁 - コメントありがとうございます！(*´ω｀*)これからも頑張ります (2018年6月10日 7時) (レス) id: 57b0dc252f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：すみれ汁 | 作成日時：2018年4月30日 23時
