No.33 ページ44
爆豪勝己side
二階堂 Aは幼少期の記憶をぽつぽつと話した。
『いっつも、意識が飛ぶ。
で、気がついたら勝敗は決まってる。
父さんに用意された熟練のヒーローたちはみんな倒れてる。
その度に父さんに褒められる。「お前は歴代を超える成功作だ」って。
だけどあれには副作用があって、今日みたいに高熱が出たり最悪気絶して1週間くらい目を覚まさないことがある。これが力の代償。
…ねえ、爆豪くん。私、いつになったら負けることが出来るんだろうね？』
本気で人に負けたことがない。だから負けてみたい、そんな風に聞こえてくる。
寂しそうな、それでいて達観。彼女の表情にはそんなことを浮かんでいて。
「…」
そしてそんな彼女に、自分はなんと答えるか脳裏に考えをよぎらせていた。
むかつくくらい強く、美しい女。
幼少期から自分は天才だと賞賛されてきたが、彼女の前だと自分が凡才に見えてしまう。
それほど彼女とは差がある。
最後の戦闘訓練で、モニタールームにいた生徒の大半は、彼女が一体何をしたのか気づかなかった。
二人の間にいきなり現れた時、彼女はワープのような瞬間移動を使ったのではないか、と誰かが言った。
そんな奴らを横目に見ながら、こいつらは馬鹿かと思ったけれど、そう思う自分でさえ彼女の動きが素早すぎて見えなくて。
パワーもある。瞬発力もある。戦闘力もある。弱点も一切見当たらない。
個性でそれらが全部持てるのなら。
「(…不平等だわ、クソが)」
もし、あの時自分が本当に彼女を殴ろうとしたとしても、彼女はきっと悲鳴すら挙げないだろう。
可愛げのない女だ。
バケモノと呼んだ方が相応しかった。
さて、この学校で誰よりも強いNo.1になると志していた自分はどうすればこいつに勝てるのだろうか？
彼女には本気で相手を負かそうとする意欲は見受けられない。
もし、今の自分が勝てたとしてもそれは彼女の本気じゃないだろう。
情けだ。爆豪勝己が一番嫌いなものだ。
だから、自分はバケモノに強く、宣言した。
「…いつまでも最強気取ってんじゃねぇ」
「いいか、よく聞け」
「てめぇのことは俺が殺してやる」
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すみれ汁 - ささくれさんコメントありがとうございます！面白いと言ってもらえてとても嬉しいです！！これからもがんばりますね！ (2018年8月27日 22時) (
レス) id: 7a4e0b7ca5 (このIDを非表示/違反報告)
ささくれ(プロフ) - すみれ汁さん» すごく面白いです〜！！面白すぎてもう続きが楽しみです！！更新頑張ってくださいー！！ (2018年8月25日 17時) (レス) id: 77996c6491 (このIDを非表示/違反報告)
すみれ汁 - さーとうさんコメントありがとうございます！これからもいい小説が書けるように頑張ります！ (2018年8月9日 20時) (レス) id: a69c838f60 (このIDを非表示/違反報告)
さーとう - 更新楽しみにしてます！頑張ってください(о´∀`о) (2018年7月24日 12時) (レス) id: afcde5e08d (このIDを非表示/違反報告)
すみれ汁 - コメントありがとうございます！(*´ω｀*)これからも頑張ります (2018年6月10日 7時) (レス) id: 57b0dc252f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：すみれ汁 | 作成日時：2018年4月30日 23時
