No.1 ページ3
『...もぉ、面倒くさいなぁ』
少女はパジャマ姿でボサボサな頭を掻き分けながら、気怠げに呟いた。
今日は少女にとって学校に行かなくてはならない日である。
なのに彼女は寝坊していた。
入学式の初日。開始時間まで残り15分。
間に合う見込みはもうない。
二階堂Aはもう行かなくてもいいんじゃないかと軽く諦めかけていた。
だが、初日から無断欠席は流石にまずい。
なんとか起き上がりクローゼットを開けると、自らが合格した名門校“雄英高校”の制服が掛けてあることに気づいた。
『…私、別にヒーローになるために雄英受けた訳じゃないけどな』
二階堂Aがヒーローになりたいと思ったことは生まれて一度もなかった。
Aが知っているヒーローは、1人で圧倒的な力を出す、ピンチの時でも必ず勝つ平和の象徴『オールマイト』。
そして、父親。
確かに平和の象徴はカッコいいと思った。
しかし自分は彼のようなヒーローにはなれないなと思った。
それに一生懸命、という言葉が彼女には分からなかったのだ。
なぜなら彼女は、幼い頃から本気を出さなくともすぐに勝ててしまうから。
雄英を受けたのも父親が、半端強制的に受験させただけで、Aには雄英に行きたいという意思はなかった。
かといってあの父親の考えを拒絶でもしたら、殺される。
Aにとって、父は絶対。
これから先一生剥がれる事のない鎖のように、Aの行動全てを支配していた。
ハンガーを外し、制服を身に纏う。
『…うええ〜』
制服の袖は思ったよりもずっと大きくて、Aの手の甲をすっぽりと覆う。またチビだと思われる、と深いため息をついた。
『まだ成長期だから、どうせ将来ぴったりになるもんね。…行ってきまーす』
明らかな虚言を吐き、少女は怠そうに学校へ。
そこに期待するものなど、少女にはない。
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すみれ汁 - ささくれさんコメントありがとうございます！面白いと言ってもらえてとても嬉しいです！！これからもがんばりますね！ (2018年8月27日 22時) (
レス) id: 7a4e0b7ca5 (このIDを非表示/違反報告)
ささくれ(プロフ) - すみれ汁さん» すごく面白いです〜！！面白すぎてもう続きが楽しみです！！更新頑張ってくださいー！！ (2018年8月25日 17時) (レス) id: 77996c6491 (このIDを非表示/違反報告)
すみれ汁 - さーとうさんコメントありがとうございます！これからもいい小説が書けるように頑張ります！ (2018年8月9日 20時) (レス) id: a69c838f60 (このIDを非表示/違反報告)
さーとう - 更新楽しみにしてます！頑張ってください(о´∀`о) (2018年7月24日 12時) (レス) id: afcde5e08d (このIDを非表示/違反報告)
すみれ汁 - コメントありがとうございます！(*´ω｀*)これからも頑張ります (2018年6月10日 7時) (レス) id: 57b0dc252f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：すみれ汁 | 作成日時：2018年4月30日 23時
