桃園家

結婚生活12日目 ページ14

さとみside




『んふふぅ〜。』


宴会場に笑い声が響く。


「完全にAちゃん、出来上がってますね。」


るぅとが珍しそうに言う。


今目の前にいるのは、頬を真っ赤にして顎を机に乗せているA。


滅茶苦茶お酒弱いから飲まないって言ってたのに


ころんとAのグラスを間違えた様で今この状態にある。


「…ごめんさとみ君。怒ってる？」


顔をひょこっと覗かせるころん。


「あぁ。怒ってるさ……









、









、





お前がAと間接キスしたことになッ！！」


「え、そこかよ！」


「くそぉっ……」


……と言うわけでおもくそ胸糞悪い俺です。


後で練習したスマ●ラでボコボコにしてやるからな。


「とりあえずAちゃん、部屋に運んじゃう？」


なーくんがそう言う。


「あぁ。そうするか『りーぬー』


「え、ちょ、Aちゃんやめてぇえ！」


何事！？と思わず振り返ると


Aが莉犬に抱きついていた。


「莉犬？何してるの？」


わなわなと震える体を落ち着かせ聞く。


「こ、これはAちゃんがぁ…」


『んふふぅ〜いーじゃんさとみー。』


「莉犬、そこ代われ。」


「代われないよ！Aちゃん力強い！」


『んもぉ…うるさいなぁ』


そう言って莉犬の頰に口をつけるA。


………はぁあ？？


「り、い、ぬぅ？？？」


「ご、ごめんさとみ君！！」


『嫉妬してるの？珍しい〜』


悪意なく笑い、莉犬を抱きしめてる腕を離す。


そして俺の前に上目遣いで立つ。


「…A？」


『んー？』


「俺にちゅーは？」


『え〜？どうしようかな？』


考えるポーズをしてこっちを見る。


「ったく、お仕置きだぞ。」


そんなのは通用しないからな。とボソリと呟きながらキスをする。



……思いっきり長めに。


『……し、しゃとみ……ながぁい。』


「…うるせぇ。」



もうそろそろかな？と思ったら唇を離す。


するとAはへたへたと膝から倒れ落ちる。


「ったく……もうそんなことすんなよ。」



『ひ、ひゃい……』


ヒヤヒヤするんだから…


よしよしと思いながら周りを見渡す。


なーくんがカメラを持ってたのは…うん。見なかったことにしよう。


『……でも』



「ん？」



『もっと、やって？？』



「…なーくん、先帰るわ。」


そういってAをお姫様抱っこする。








「まったく……Aのせいだからな？」



『んふぅえ〜』

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