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王の間へ 3 ページ4
まだ戦える。俺は立ち上がり、強く剣を握りしめる。そして、滑らかな動きで魔物を切り刻んでいく。
ふと、少女が言った。
「あの、おかしくないですか?…貴方が斬り続けているのに、魔物は減っていません…。」
確かに、おかしい。それどころか魔物は増え続け、ついには囲まれてしまった。
まぁ、良いんだけど。
「えーっと、そこの!さっき助けてくれた人!ちょっと伏せてろ!」
少女にそう叫び、技を発動する。今度はちゃんと、剣士としての技を。
「レッドイレイサー!!」
剣で虚空を斬り払う。その一閃が火を纏い、敵を一掃、敵が消滅する。
「あぁああああああっ!怖かったですぅううううううっっ!!」
振り返ると少女が安心したような顔で泣いていた。
無理もない。これくらいの歳の少女だ。こんなに魔物に囲まれれば怖くもなるだろう。
「もう大丈夫だぜ。魔物は居ねぇからな。」
そう言って少女に笑いかける。
「ひいぃっ…!!」
少女は更に怯える。
「んあ?魔物はもう居ねぇだろ、何が怖ぇんだよ?」
不思議に思い、尋ねる。
すると少女は泣き続けながら困ったような顔をして、
「………貴方です。」
と言った。
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作者名:寒露 | 作成日時:2018年1月5日 21時