第二十二話 ページ22
「手入れが終了してから刀剣男士が目覚めるまでには少々時間がかかることがあります。こと今回に限っては重症からの復帰でもありますから、歌仙様が目覚めるまでの間、主さまもお休みください」
===
「…と、言われてもね…」
手入れ部屋にてこんのすけを好き放題した数時間後。私は何処に留まるでもなく本丸内をふらふらと散策していた。休めと言われても先の手入れで特に疲労を蓄積しなかったことも影響しているのか、先日のような耐えきれない眠気というのもやってこない。そんな状態で横になっても、却って休むに休めないような気がする。ただそれだけの理由…というわけでもない。
「…矢っ張り、不甲斐ない」
緊張こそ解れたものの、頭の中を占めるのは件の戦場の風景。たられば話になってしまうとはいえ、どうしても忘れることなど出来なかった。これが政府とやらの方針なら、一体何が目的なのだろう。審神者という、戦場へと送り出す立場の人間としての自覚を持てということなのだろうか。そうだとすればそれはそれは効果を発揮していることになるが、問題なのはその自覚を持った今、どうすればこれからの本丸運営に活かすことが出来るかという術が分からないという部分にある。
「確か、此方に持ってきた荷物の中に兵法書があった…ような。それでも読んでおこうか…」
悶々としたまま歩みを進めて行く。気が付けば随分遠くまで来ていたようだ。しんと静まり返った廊下の先には、何やら大掛かりな部屋が見える。あれは確か、
「鍛冶場…？」
鍛冶場。付喪神たる刀剣男士の依代となる刀を打ち出す為の施設。執務室から離れていたということもあり、未だ立ち入ったことはなかった。そこまで考えてふと、単純な閃きが頭の中をよぎった。
「先の戦…一対二だから勝てなかった、としたら…」
あまりにも単純過ぎて考えるに至らなかった自分が恥ずかしい。が、恐らく私が今現在取れる中で最良の策はこれだろう。思い立ったが吉日、という言葉もあることだし。そう自分を納得させて、先程手入れ用の資材を持ち出した蔵の方へと駆け出した。
===
手入れ部屋の中、手入れが終わった直後に意識が戻った。それは良いのだが、結局直ぐに主たる彼女に声をかけることが出来なかった。少し気まずさを感じるまま、起き上がった先で先の彼是でやられたであろう管狐がぐったりとしているのも他所に部屋を出る。
「…まったく、一体何処へ行ったんだ」
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羅胤(プロフ) - 黎明さん» 黎明さん、コメントありがとうございます！まさかこんなに期間が空いてる中、待っていただけていたとは…恐悦至極と同時に、大変申し訳ないようにも…（ううむ）改めて更新に励ませていただきますので、これからも何卒よろしくお願いいたします。 (2021年4月24日 2時) (
レス) id: 37cf65dc3f (このIDを非表示/違反報告)
黎明(プロフ) - 初コメ失礼します！！更新ありがとうございます！初めてこちらの作品を読ませて頂いた時から更新されるのを楽しみにしていました！！これからも応援しています！ (2021年4月23日 23時) (レス) id: 6e1910104e (このIDを非表示/違反報告)
彼方(プロフ) - いつも更新楽しみにしています！ ついに殿堂入りされたんですね！ おめでとうございます！！ これからもおからだに気をつけて、頑張ってください！ (2020年12月6日 21時) (レス) id: 1f4e240a3c (このIDを非表示/違反報告)
ﾊﾝﾃｽ@読専(プロフ) - 羅胤さん» そうなんですね!私も夢主ちゃんの姿創造しながら楽しみます!レスありがとうございました!m(_ _)m (2020年12月2日 15時) (レス) id: a78139392e (このIDを非表示/違反報告)
羅胤(プロフ) - ﾊﾝﾃｽ@読専さん» ハンテスさん、コメントありがとうございます！自分は夢主の姿が現実離れしていると萎えてしまうタイプなので、敢えて作者として書かずに読者の皆様に想像の余地として残しています。お好きなようにイメージしていただければと思います。ご質問ありがとうございました！ (2020年12月2日 15時) (レス) id: 6b5b4b25ac (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：羅胤 | 作成日時：2020年11月27日 11時
