33 右肩 ページ33
「あっ…」
右肩に感じる重みの正体に
通りすがりのレトルトが反応した。
私は左手の人差し指を口元へ持っていき
少し笑ってみせた。
その後ろにいたガッチさんとうっしーがクスッと笑った。
早く進みなよ…笑と口パクと手で合図をすると
3人がニタニタしながら通り過ぎた。
サービスエリアで降りて
ちょっとした休憩を取る所だったのだが
どうやら私は出来そうにない。
ロケバスに最後に乗り込んだのは私で
流れでキヨくんの隣に座ることになった。
特に話す訳でもなくボーッとしていたのだが
右肩にズンッと重みが加わり
彼の髪の毛が首元をくすぐった。
サービスエリアは数分止まったのち動き出し、
私は左手を使い
スマホでメールのチェックをしていた所で
彼がモゾモゾと動き起きた雰囲気がした。
「？！！！」
ギュッと椅子がなるぐらい勢いよく起きた彼。
「あ、起きた？」
真っ赤になった顔が手で覆ってもよく分かる。
「ご…ごめん！！」
「いいよ全然…笑」
「コハクはぶっ叩いてくれても良かったのに…」
「私が出来ないの知ってて言ってるでしょ笑」
「しかしよく寝てたね〜笑」
ガッチさんの声だけが後ろから聞こえる。
「全員知ってんの…？！」
「寝顔撮られてないだけまだヨシだろ…笑」
うっしーがケラケラと笑いながら言った。
「俺寝言とか言ってなかった…？」
「言ってなかったよ笑」
「言ってたら面白かったのにね〜」
「んね〜？」
「せっかくのチャンスだったのになぁ？」
キヨくん以外の4人で共感し合った。
「一生おもちゃにされるから言わなくて良かったわ。」
ロケバス内が一気に騒がしくなった。
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作者名：みこと | 作者ホームページ：http://なし)ー
作成日時：2022年6月14日 20時
