26 今日も今日とて ページ26
「でもっ…！」
「いいんだ。」
手渡される重み。
「…。」
「いいんだよ。コレで。」
スーッと息を飲み込んだ。
「ねぇ。」
「なんだよ。」
「―――――。」
空調設備の音が耳に響いてくる。
「はい、カットー！」
「何なんだぁ？お前ら。」
「変なやつより臨場感ある。」
「ナイス。キヨくん。」
「いや、コハクに持っていかれたわ。」
「最後でしょ、最後。
わざと言わなかったよね？愛してます。って。」
レトに指摘された。
実際に集まって芝居をするゲームを実況することになった。
「言わないほうがそれっぽいでしょ？」
「確かに。」
最後に画面に表示された言葉は愛してます。の一言だった。
「間の使い方がドキドキしちゃう。」
「コハク女優〜」
「いゃぁ〜それほどでも〜あるけどぉ〜笑」
「うわ〜腹立つ〜笑」
「次、いくよ〜笑」
2回ほど次のペアへと移り私の番が回ってきた。
次の台本は何にしようかと悩んでいると
レトが１つの台本で止まった。
「コレとかど？」
「これ…前に2人でやったよね？」
レトが一人暮らしをしだした頃、
レトの家で撮ったことを思い出した。
「うん、リメイクってことで。」
「あの頃はノートパソコンだったよね〜笑」
「そーそー笑 エンコードに9時間掛かってた頃。」
「古の話してんなぁ…笑」
うっしーがうっすらと笑いながら言った。
「あれ？2Pこっちだっけ？」
「2Pこっち。」
前にマイクを使っていたキヨくんが手招きをした。
「ありゃ、逆だね。」
ガッチさんがフッと説明した。
「よっこいしょ。」
腰を上げ移動したレト。
「老化？」
「せめておじいちゃんって言って。…誰がおじいちゃんや。」
「重ねツッコミ1丁！」
「「はいよ！」」
「濃いめ、多めですね〜。」
ガッチさんがそう言うとキヨくんが口を開いた。
「ラーメン屋のラーメン食べたくね？」
「分かる。味噌食べたい。」
「あ〜いいなぁ、終わったら行こうぜ。」
「久しぶりだわ〜。」
ピロンと音がなった気がして前を向くと
台本が始まる直前だった。
「俺、醤油で。」
「分かった分かった…笑」
今日も今日とて自由です。
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作者名：みこと | 作者ホームページ：http://なし)ー
作成日時：2022年6月14日 20時
