14 2人だから ページ14
「使い方大体分かる？」
「スタンダードなやつならなんとなく。」
「まぁ大丈夫か。分からなかったら呼んで。」
「ありがと。使わせてもらう。」
レトルトは身分証明書のコピーが必要になったらしいが
家のコピー機が壊れたらしく
ご飯を食べに来たついでにコピーしに来た。
5分も経たないうちに帰ってきた。
「出来たわ〜ありがと。」
いつもは横の家に移動するだけだから
スマホを手に持ってくるだけだが、
今日の彼はバックを持ってきていて
その中からクリアファイルを取り出し
丁寧に印刷した用紙を挟んでいた。
「そりゃ良かった。
そうそう。コピー機で思い出したんだけどさ」
「うん。」
彼はソファーの定位置に腰かけた。
「あんまり見なくなっちゃったけどFAXってあるじゃん。」
「はいはい。」
相槌をうつ彼は極度のリラックス状態だ。
「私さ"FAXは紙ごと送られる"と思ってたんだよね。」
「えっ…ちょっともう一回言って？」
ぼーっとしていた彼が覚醒した。
「FAXは紙ごと送られると思ってた。」
「超技術すぎるでしょ！そんなこと出来たら…笑！」
「分かってるよ！昔の話よ昔の話！」
「今でも思ってそうよ〜笑？」
「そんなアホやないわ笑！」
自分が蒔いた種でワチャワチャとしつつ
ご飯の用意が進んでいった。
今日の晩ごはんは天ぷら。
一人暮らしだと面倒で中々に手を付けない料理だ。
だからこそ2人のときにする。
週1、たまに週2で食べに来ていた彼も
今では月に2回になったが、
今回のように一人暮らしだと…というものが
存在するので私的にもとても助かっている。
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作者名：みこと | 作者ホームページ：http://なし)ー
作成日時：2022年6月14日 20時
