５９話 ページ14
そして中学３年の事だ。
雄英への進学も決まり、父からの了承も得て、あともう少しでこの家から出られると思っていた時だった。
深夜、酒の匂い漂わせながら母が自室に入って来た。
これでもかという程胸の開いた服を着て、妖艶に微笑む母。
３０後半だというのにそれを感じさせないのは流石と思うが、今はそんな事どうでもいい。
そんな女が寝ていたAの上に覆いかぶさっていたのだ。
『……は？』
寝起きというのもあるが、自分でも驚く程かすれた声が喉をついて出た。
そんなAを見下ろしながら母は片手でくすくすと笑いながら微笑む。
「大人になったわねA。ほんと、あの人に似て良い顔、良い身体つきしてるわぁ。」
いつも知らない男共に使っている様な甘っ苦しい声で耳元で囁く。
他人なら直ぐにでも押し倒したくなる様な状況だが、自分にとっては実の母なのだ。嫌悪でしかない。
母がするりと服をまくりAの腹を撫で上げる。
その気色悪い感触に止まりかけていた思考が一気に冴え、一気に大量の汗が噴出した。
そして生れて初めて母に向かって個性を使用した。
と言っても爆風で飛ばす程度なので、火傷などを負う事もないが。
そのまま既に用意されていた引っ越し用のカバンを担いで家から出てきた。
まだ早いが、既に決まっていたアパートの大家に深夜遅くに申し訳なかったが、必死に頼み込んで住ませてもらった。
この事を父伝え、今やもう離婚している。
もうあの女と関わる事はないと安心した。
しかし、あの日から女性を見ると拒絶反応が出る様になったのだ。
元々、母親のせいで女性に対して信用していなかったが、それが倍増してしまった。
触れる事はおろか、話す事も嫌だ。
だからと言って女子とだけ関わらないのは何か勘繰られると思って学校で人と関わる時は分厚い壁を作った。
そして、あえて女が好きだと豪語し、女子を遠ざけた。
これがAAの女嫌いの所以だ。
『言ったろ、これ以上関わんなって。
俺はもう女を好きにはなれない。ならこうなってしまうのも必然の事だ。わかっていた。
だから、頼むから―――。
俺をこれ以上お前に惚れさすな。』
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春千瑠 - 全部読ませていただきました！番外編までサイコーでした！素敵な作品ありがとうございました☺️ (2022年12月30日 11時) (
レス) id: 6c259301f0 (このIDを非表示/違反報告)
ももタ郎。(プロフ) - 完結お疲れ様です。読みやすくて設定も物凄好み作品ありがとうございました (2018年7月23日 0時) (レス) id: 5cdd067bc5 (このIDを非表示/違反報告)
花帆 - 完結おめでとうございますヽ(*≧ω≦)ﾉ最後まで、番外編も含め面白かったです！！「これ以上お前に惚れさせるな」発言良かったです〜！！ クズ先輩の裏設定を踏まえた上でまた読み返したいと思います (2018年5月30日 0時) (レス) id: aa0adc990d (このIDを非表示/違反報告)
ゆー - 最後まで素晴らしかったです…！もういつもまにかファンになってずっと見てました！もう………語彙力なくなります…！番外編とか期待してます！ (2018年5月10日 11時) (レス) id: ee5c26d4d1 (このIDを非表示/違反報告)
向日葵(プロフ) - クズ先輩かっこよすぎじゃないですか何なんですか惚れますよ本当に！爆豪なにそのキスされた後の笑い方めちゃくちゃ可愛いじゃないですかあああ!続きというか番外編というか楽しみにしてます！めちゃくちゃ楽しみにしてますから！頑張ってください！ (2018年5月7日 9時) (レス) id: f50b37e34d (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ぶよ | 作成日時：2018年4月3日 22時
