【ヒロアカ】クズ先輩とタフネス君【男主】 (ページ10)

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９話ページ10

『すぅ―――．．．．っは―――．．。』

放課後、普段は閉ざされて、立ち入り禁止とされている屋上。もちろん今現在も厳重に鍵がかけられている。
それにも関わらずAがこの屋上に居られるのは、彼の個性、爆発を利用して飛び、ココまで来られたのだ。

Aの手に持っているのは本来なら持たざるべきもの、煙草が握られており、慣れたように煙を肺に入れ、また出す。
その行為を繰り返しながら、Aは屋上の格子から下を見る。

しつこかった爆豪も予冷のチャイムがなる前に次の授業の準備とやらで自分のクラスに帰って行った。
時間通りに動くという事は、見た目や言動は不良っぽいが、案外真面目なのかもしれない。

彼が言うにはどうやら初オールマイトによるヒーロー基礎学らしい。
その話をしている爆豪の目は少しばかり輝いていたから随分と楽しみにしていたのだろう。

だと言うのに、一体彼はどうしたのだろう。

下駄箱から昇降口までの間の道で、爆豪ともう一人、恐らく一年であろう男子生徒が見える。
あの男子生徒はボール投げで爆豪につっかかれたあのふわふわした緑髪が特徴の子だ。

ああ、あいつ。どっかで見た事あると思ったら、ヘドロ事件に巻き込まれた爆豪を助けに行った子か。

どこか胸に突っかかってた事が今わかった。
ニュースでは爆豪の事をピックアップされていたが、彼もテレビに映っていた。
確か同じ制服を着ていたし、雄英に入る前からの知り合いなのかもしれない。

『…オトモダチ？』

には正直見えない、というのが正直の感想だ。
何を話しているかはAの所からは全く聞こえないが、仲良さげに話している様子は伺えない。

むしろ言い合っているように見える。

『……！』

何か爆豪が叫ぶように彼に話した後、爆豪は確かに今、腕で自分の目を擦った。
ただ目に何か入った訳じゃないだろう。