【ヒロアカ】クズ先輩とタフネス君【男主】 (ページ7)

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６話ページ7

次の日の昼休み。

殆どの生徒がクックヒーローが勤める食堂に向かっている中、Aは弁当を持参している訳でもないのに食堂には行かずに教室にいた。
特段腹が減っていない、という訳では決してない。育ち盛りの真っ最中の男子高校生だ。

しかも朝食も食べていないAにとってはかなりの空腹が襲っていた。

ではなぜ食堂に行かないのか。その理由は簡単だ。

１人暮らしのAは光熱費等は親が出していてくれているが、食費を含めたその他小遣いは決められた額を月一で渡される。
その額は大して多くないのにも関わらず、Aはその殆どを煙草を買う為に使ってしまっていた。

これを聞いた周りの人達はバカだアホだ法律がなんだと言うが、煙草はAにとってかなり大切なもの。

無人島に一つ持って行くとしたら？
なんて質問が良くあるがAは間違いなく煙草と答えるだろう。

３度の飯を食うなら煙草を一箱を選ぶAにとってこの空腹は大した事ではなかった。

「Aー。お前にお客さん。」

訴えてくる空腹を誤魔化す為寝ようとしたら、クラスメイトの1人が話しかけてきた。

『女かっ！？』

「いや、男。一年だよ。」

『はあ…、いないっつっとけ。』

空腹を忘れて突っ伏していた顔を上げてクラスメイトの方を見る。
目はしっかりと開かれており、キラキラと輝いていた。

そんなAの姿にクラスメイトは慣れているのか、呆れた顔をしながらも特段気にした様子を見せずに受け答えする。
それを聞いたAはすぐさま目をだるそうに伏せた。

そしてまた机に突っ伏そうとしたら、真横に人影が見えた。
どうやら誰かが立っているらしい。

「誰がいないんすか、先パイ。」