【ヒロアカ】クズ先輩とタフネス君【男主】 (ページ6)

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５話ページ6

心底うざそうな顔を爆豪に向けて言い放つ。

いつもの眠たげで死んだ様な目でAは爆豪を一瞥するとそのまま通り越してまた帰路につこうとする。
隣にいる友人の呆れ顔にも通り越した爆豪の驚いた顔にもお構いなしにだ。

「っ、おい、ちょっと待てよ！」

「あー…、君、体育祭でA見て興味もって会いに来たって感じかな？だとしたら言っちゃ悪いけど来るのは間違いだったかもね。
あいつ、自他共に認めるクズでさ、体育際で滅多にやらない本気だしたのだって女性にモテたかったとか…そんな理由だから。」

Aが話しかけられるのを慣れているのと同時に、一緒にいる事の多い犬神はAに尊敬の眼差しを向ける人達に本当の事を説明するのに慣れていた。
(女性に限り)世間体を気にして犬神の行動を止めようとしたが、彼曰く「現実は早めに見せた方がいい」らしい。

『全く、余計な事を。』

いつも通りの犬神の行動に若干イラつきもするが、それすらももう慣れた。

小走りで隣に並ぶ犬神に皮肉でも言ってやろうと口を開くと

「あんなすげぇ奴が……。」

後方からそんな声が聞こえた。

それを聞いたAは歩みを止め、振り返る。
Aは歩いていた方向とは逆に、つまり爆豪の所へ向かって進み、彼の前で止まった。

相変わらず目は眠そうに伏せてはいるが、先程の様に死んではいない。

『君さ、ハロー効果って知ってる？』

「…は？」

『ハロー効果。
作品の巧拙とその人の人格が必ずしも相関するわけでもないのにも関わらず、その人の一部分だけ見て、あの人はきっと素晴らしい人だと思い、他の特徴を蔑ろにしてしまう事。

雄英の体育際で１位になった奴はイケメンで優しくて頭良くて金持ちでモテモテの自分の理想の最強な奴だとでも思ったのか？
んな都合のいい話あるか。』

自分より幾分高い男に見下ろされながら長々と話されるのは、説教にも似た苛立ちと恐怖が出てくる。
爆豪もAのこの行動に驚いたのか呆けた顔で固まってしまっていた。