【ヒロアカ】クズ先輩とタフネス君【男主】 (ページ38)

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３７話ページ38

「騙しやがったなクズ野郎！！」

朝、Aが登校して席に着くとほぼ同時に聞こえてきたのは聞きなれた爆豪の怒声。
そのタイミングの良さは、恐らく自教室の窓からAが来たのを確認してから２Aの教室に来たのだろう。

実は爆豪と会うのは数日ぶりである。
いつも来るなと言ってもしつこいくらい着いてまわるのに、数日間会ってなかったのは理由があった。

それは遡る事数日前―――。

「俺、今度職場体験あるんすけど、去年先パイも行ったんすよね。」

『……あー、そうだな。』

「誰んのとこ行ったんすか？んで、どうだった？」

戦えやら修行つけろやら言ってくる爆豪とは違う質問攻め。
誰よりも自信家で何事にも余裕そうに見えて、誰よりも本気でヒーローを目指すからこそ、こういう事に慎重になるんだろう。

いつも吊り上がっている眼尻は幾分下がっており、不安を感じ取れた。

そんないつもとは違う爆豪の姿にAは密かに口角を上げた。

それはとてもゲスイ笑みだ。

『……俺？俺は去年ベストジーニストの所へ行ったよ？いやあ、あの方は本当に素晴らしい方だ。とても充実した期間だった。』

「！！俺、ベストジーニストから指名来てたんすけど…。」

『ならば俺は間違いなくそこをお勧めするよ。頑張れよ。』

「…っす！」

その後、爆豪は予鈴が鳴った為、自教室に戻っていった。
それを見計らったかの様に来たのは友人の犬神だった。

「…お前、去年の職場体験、最悪って言ってなかったっけ？」

『コテンパンにされればいい。』

「最低かっ！！」

そして最初に戻る。