【ヒロアカ】クズ先輩とタフネス君【男主】 (ページ3)

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２話ページ3

４月

世界最高峰と言われているヒーロー育成に特化した高校、雄英高校。

今日は新しく期待の一年が入ってくる。
今はその新入生達を華々しく迎える入学式の真っ最中だ。

しかし、広い廊下には一人の青年がいた。
整ってはいるが痩せ、眠たげな目をしている若い容姿と雄英高校の制服から、その青年は雄英生と分かる。
その制服はちゃんと手入れがされていないのか、所々に皺があり、少しくたびれていた。

青年の名はAA。雄英生２年。
勝手に入学式を抜け出して来たにも関わらず、負い目を感じていないのかAは堂々と廊下をゆっくり歩いている。

『全く、学校ってのは悉く無駄が好きだな。
何で２回も同じことを聞かなきゃならないんだ。ぼかぁ去年も聞いたわ。』

誰に言うのでもなく、思ったことをそのまま口にする。
まるで散歩でもしてるかのように手を制服のポケットに入れながら歩くAの視界に、ふと、動くものが見えた。

つられて窓の外を見ると、そこには教師であり、プロヒーローの相澤と、何人かの体操服を着た生徒達。

あー、今年もやんのか。

他人事の様にそう考える。
去年、Aが入学式に出た時は隣のクラスの担任と生徒が一人もいなかった。
そして入学式が終わり、自教室に戻ると隣のクラスはもぬけの殻。

後日、クラス全員が担任である相澤の判断で除籍処分にされたと聞いた時は驚いた。

まあ見込みない奴が頑張ったところで意味はない。時間の無駄だ。
相澤先生のやってる事に別に賛同する気はないが、理解は出来る。

暫く窓を開け、窓枠に両腕をかけて外の様子を見る。
すると、相澤が1人の生徒を指名してボール投げの所定一につかせている様子が見えた。

「死、ねぇえええええええ！！！」

ツンツンとした白っぽい金髪が特徴の男は個性で出したであろう爆風を利用してボールを飛ばした。

まじか。
Aが最初に思ったのはまずこれだ。

よくニュースを見るAは彼の存在を知っていた。
ヘドロ事件に巻き込まれてたが、持ち前のタフネスと爆破の個性で耐え凌いだ中学男子。爆豪勝己。

約一年程前のニュースだが、頭の良いAなので覚えていても不思議ではないが、彼の記憶に強く残っといたのは他に理由がある。

それはAの個性も、彼と同じ爆発であるからだ。

まあ、それにしても

『ヒーロー目指してんなら人の生死を重んじろよ。』