【ヒロアカ】クズ先輩とタフネス君【男主】 (ページ19)

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１８話ページ19

『何が悲しくて野郎に付きまとわされなきゃいけねぇんだよ勘弁してくれよ。』

「だったらさっさと特訓付けろ！下さい！」

『国語の勉強してこい。言葉遣いもだが、相手の心情を読み取れ。』

「小テストいつも満点だわ！」

『なんの冗談だ。』

せっかくの昼休みの一服を邪魔されたAは屋上から出て、教室に戻ろうと廊下を進む。
その後ろを爆豪が懲りもせずついていく。

ジリリリリリリリリッ!!!

突如、校内全体に警報が鳴った。

≪セキュリティースリーが突破されました。生徒の皆さんは速やかに非難してください。≫

「え？何が起こったの！？」
「お、おい早く逃げようぜ！」
「ちょっと押すなよ！」

警報が鳴り終わる頃には生徒達もこの状況を理解し、あたりは混乱状態になってしまった。
まばらだった廊下の人の数も増え、満員電車の如く人が増えようとしている。

「…は？んだよこれ、どうなってんだ…！？」

『爆豪！』

「んなっ！？」

急に横からAに思い切り腕を引かれた爆豪。気付いた頃には爆豪の背にガラス張りの壁を預けていて、目の前にはAがいた。
顔のすぐ横にAの両手があり、人ごみに流されないよう手に力を入れて踏ん張っていた。

「え、は！？あんたなにして……！！」

『ただのマスコミ如きでギャーギャーうるせぇな…。せんせー朝、相手してたんじゃないのかよ…。』

「…マスコミ？」

爆豪の目の前にAの顔があるが、その視線は爆豪の更に後ろ。
背を預けているガラス張りの窓の先を見ると崩されている門と、今朝も見た何人ものマスコミが雄英敷地内に入っていた。
警報の理由がこれなのだと爆豪は気づいた。
それと同時に爆豪はもう一つの事に気付いた。

『おいおいおい、これってもう器物損害、不法侵入、営業妨害じゃねぇの？マスコミってやべぇな。』

「…先パイ。」

『んあ？んだよ。』

「……………近いんすけど。」

広い廊下を埋め尽くす程の人の数で、押しつぶされないよう、流されないように力を入れているものの、流石は遊英。
ヒーロー科じゃなくてもそれなりに力のある生徒がいる為、いくら強いAが力を入れていても、不特定多数に押されては耐えきれない。

その為爆豪とAの距離は数センチ程の距離しかなかった。