【ヒロアカ】クズ先輩とタフネス君【男主】 (ページ14)

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１３話ページ14

爆豪の話を聞いてAは一つ疑問に思ったことがあった。

緑谷出久は無個性であった事だ。
しかし１Aの個性把握テストを見ていたAは、彼が増強型の個性であると考えていた。
そうでなきゃあんなにボールが飛ぶわけがないからだ。

そして先程爆豪が緑谷に言われた言葉。
”誰かは言えないけどこの個性はもらったもの。”

爆豪はこの言葉をどう受け取ったかは分からないが、たぶん本当だろう。

実際、Aは緑谷出久に会ったことがあるわけじゃないからよくわからないが、
爆豪の話によれば、かなりのヒーローオタクのオールマイト大好きなヒーロー目指す男の子。

オールマイトが好きならば、(実際は知らされてないので恐らく)彼と同じ増強型の個性なら喜ぶはず。
個性が発生する４歳という子供ならば、親になんて言われようとどこかで自慢で個性を使ってもおかしくない。

なのに緑谷出久は爆豪に虐められていたにも関わらず、一度たりとも個性を使ったことがなかった。
そんなこと、ありえるか？

使ったら大怪我するから使わなかった？
その事実が知っているならば”個性を使った”という事だろう。

４歳までずっと一緒にいたならば、勘が良い爆豪がそれに気づかないはずもない。

「大体、向いてねぇっつったらアンタもだろ！」

先程から先輩であるAに向かって罵詈雑言を叫ぶ爆豪がAに向かってこう言った。

『俺がヒーローに向いてないって？ありがたいね、僕はヒーローが嫌いなんだ。』

「…はあ？」

『だってさ、ヒーローって簡単に出来すぎだと思わないか？ある程度動けて頭良くて個性が良ければ俺みたいなクズでもなれる。
だから中途半端なヒーローが出来る。」

ヒーローというのは世間のお手本にならなければならない。
それなのにヒーローや警察が犯罪に手を染めたというニュースは少なくない。

『このヒーロー科っていう制度も見直した方がいい。
ヒーロー科なんぞ作り、どうやったら強いヒーローを生み出せるか、じゃなくてどうやったら敵が減るかに尽力すべきだ。
もしくは個性が発動しなくなる薬でも作って世界中にバラまいた方がよっぽどいい。』