【ヒロアカ】クズ先輩とタフネス君【男主】 (ページ42)

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４１話ページ42

テレビでステインが捕まったとニュースが流れる中、ネットではステインに関しての動画が流行っていた。

確かに彼は人を殺すという大罪を犯した。
しかし、彼には彼なりの信念があって起こしたことだった。

事実、彼によってプロヒーロー達は意識向上し、ヒーローの在り方という者も見直す者もいるが、
その逆、敵達も彼の思想に賛同し、意志を引き継ごうとする者も増えてきた。

敵でありながら、ヒーローにも敵にも一般人にも惹きつけたカリスマ性。
良くも悪くも、ステインは世間に傷跡を残したのだ。

Aもステインの思想動画が流行り出した頃、クラスメイトに半ば無理矢理見せられたのは記憶に新しい。

「先輩はあの動画、どういう風に考えるのかなーって思って、疑問に思ったんスよ。」

『…君等はどう思う？』

上鳴にされた質問をそのまま返す。

「ん～～、まあステインの言う事、わからなくもないけどさ、やっぱやり方がダメだよなー。」

「そうだよなー。ヒーローを改善して世間を良くしたいってのはわかるけど、結局世間を脅かしちゃってるからな。」

「でも街頭演説は駄目だったんだよね。となると、他はどういう方法があるかな？」

「…何があるんスかね？」

上から上鳴、瀬呂、犬神、切島が話し合う。
そんな様子を見てAは自分から聞いたにも関わらず興味なさそうな表情をしていた。

「……で、結局先パイはどうなんすか。」

そんなAの様子に気付いた爆豪は再びAに聞き返す。

2年連続体育祭1位でテストでも毎回1位で、喫煙している天才問題児なAは行内でもかなり有名で顔が割れている。
A達の周りにいる生徒も個々の会話を止め、興味深そうに盗み聞きをしている。