PRIDE（プライド） (ページ4)

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side ナミページ4

「んっ...」

寝返りをうった時に、隣にあったはずの熱が失われていることに気づいて、薄く目を開けた。

時計を見ると、長針は既にてっぺんを過ぎており、いつもよりも寝坊してしまったことに気づく。見渡すと部屋も、陽の光で少しだけ明るくなっていた。

「サンジ、くん…」

小さくその名前を呼ぶが、私の隣にいたはずの彼の姿は既になく、代わりにほんのり温かなシーツと、彼を思わせるタバコの香りが、私の腕に少しだけ残っている

あれだけ密着していたのだから、
残り香の一つや二つ当たり前なのに、
何故かその彼の香りが恋しくて、
両腕で自分の肩をそっと抱いてみる

気だるい下半身は、昨夜彼が私を求めたと言う証拠で、それでも毎回、彼はびっくりするくらい丁寧に、優しく私を抱く。

辛くねぇ？

平気？

大丈夫？

多少痛くても、強引でも、
彼に求められることが嬉しくて応えているその行為なのに、サンジくんは、私が少しでも抵抗したら、きっと直ぐにその行為を中断できるんであろうくらい冷静で

そんな彼の様子を感じとりながら、
私はいつも1人で彼の体温に身を焦がす

もっと激しく求められたくて
どうしようも無くなっている彼をみたくて

そんな事、考えているなんて
なんて浅ましい女なんだろう

壊れ物でも扱うよう優しく触れてくれる彼に、どこか物足りなさや、寂しさを感じるなんて
きっと私がどうかしているのだろう

だけど、海のように涼し気な彼の眼差しが
真っ赤な炎のように、情熱的で激しくなる様を、私はもう一度見たい

もっと思い切り、抱きしめられたいのに

いつもより少しだけ重い身体をベッドから起こして、先程まで彼がいたシーツを剥がして新しいものに変えた

そろそろ、ロビンが見張りから戻ってくる時間

大人な彼女は、この船の中で唯一
私たちの関係に気づいているのかもしれないけれど

かと言って、この女部屋に彼を連れ込んで
二人で体を重ねていることを感じさせるような痕跡を残しておけるほど、私は無神経にもなれない

サンジくんとの関係は
秘密にしようと二人で確かめあった訳でもないけれど
かと言って、共に旅をする仲間たちに応援して貰おうとも思っていない

第一、私と彼の関係は、恋人という肩書きで呼んでいいのかも自信がなかった

そもそも、あの日の夜

「ナミさん…好きだっ…」

彼をそうさせたのは、私の方。