PRIDE（プライド） (ページ26)

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side サンジページ26

彼女の前では、どんな時でも紳士的で居たかった

でも、実際に彼女を目の前にすると、そんな俺の虚勢や背伸びは、いとも簡単に砕かれる

「っ、サンジくん…」

キスの度に、角度を変えて深く唇を吸う
彼女はその度に、甘く、声を上げる

その声は甘く、俺を惑わせる
まるで、麻薬のように

吐く吐息は、クラクラするほどに官能的で

こんなに魅力的なレディがそばにいて、
無我夢中にならねぇわけ、ないだろう？

「ナミさんっ、好きだっ…」

大人ぶったフリして、彼女に接してみても、

余裕なんて、いつだってなくて

本当はいつだって、彼女の全てがほしかった

俺だけを見て、俺だけに笑って
俺に感じて、乱れて欲しい

俺だけが知っていればいい、こんなに官能的な彼女は

「君は俺のっ…俺のもんだっ…！」

真っ赤に狂う独占欲と、真っ黒な嫉妬

彼女に幻滅されたくなくて、
いつも着ていた、プライドのスーツ

だけど、そんなちっぽけなものは

「サンジくんっ…」

好き

そう彼女が小さくつぶやく

それだけで、砕け散る

この手から、彼女がすり抜けないように
キツく抱いて、独り占めして

その真っ白な肌の上、俺だけの色を咲かせたい

厭らしく、乱して

彼女を俺の中に閉じ込めたい

「ごめんっ…」

俺が呟くと、彼女は不思議そうに大きな瞳を向けてみせる

艶やかな頬に手を添えて、撫でた

「俺、もうナミさんのこと、抱きしめて離せねぇ…」

俺がそう言うと、いっそう大きく開かれた瞳が揺れて

ふわりと笑った

「離さないでね…」

俺の首に回った、細いその腕をとる

俺のプライドは、

意地っ張りで強がりな
彼女の笑顔を守ること

ただ、それだけでいい