PRIDE（プライド） (ページ21)

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｢ゾロみたいな、不器用な人と違って、あなたはもう少し女の子の気持ちに寄り添うのが上手だと思っていたけれど｣

そういうと、またロビンちゃんはふふっと笑った

意外と、本命には臆病なのね

｢おっしゃる通りだな｣

俺が呟くと、

ナミならさっき、ゾロと一緒にあっちの酒場の方へ歩いていたわ

と教えてくれた。

私はもう少し見たい本があって、この後チョッパーと待ち合わせしてるから、と颯爽と去っていった

大人のお姉さまには、適わねぇなぁ

そんなことを思いつつ、ロビンちゃんが教えてくれた酒場に向かうが、ナミさんのような、スーパー美女は見当たらず、マリモの頭も見当たらなかった。

もう既に、酒を飲んでどこかへ向かったか

昼から飲んで、男女が向かうところなんて

そんな悪い考えが過ぎって、
思わず頭を振った

こんな女々しく歩き回るくらいなら、最初からあいつと2人きりになんてさせなきゃ良かったんだ

あのマリモ野郎が、俺に気づかないようにナミさんを見つめてる時があることを、俺が知らないとでも思ってんのか

どさくさに紛れて…とは思いたくねぇが
あいつだって、ナミさんを特別な目で見ているにきまってやがる

タバコを揉み消すと、肩にポツリと水滴を感じた

見上げると、空には先程まで晴天とは思えないくらいに、暗雲が立ちこめていて、俺のスーツの肩をポタポタと濡らしていく

ナミさんとマリモの行方が気になったが、既に買った食材が傷んじまう

俺は、後ろ髪を引かれる思いで、サニー号に向かって走った

＊

突然の大雨に、さすがのクルーもまだ帰っていなかったのか、いつも騒がしいサニー号も、しんと静まり返っていた

守った食材たちを倉庫に手早くしまうと、
濡れたスーツの上着を脱ぎ捨てた

あのバカが、傘を持って出かけてるとは思えねぇ

ナミさん、今頃どうしてるか
雨に降られて濡れてるかもしれねぇ

傘を持って迎えに行こうか、と倉庫から出ると、医務室にぼんやりとあかりが付いてるのが見えた

何やら、話し声も聞こえる気がした

もしかしたら、ナミさんが怪我でもしてっ…！

俺は慌てて、医務室の扉を開けた