PRIDE（プライド） (ページ18)

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ナミからの言葉を聞きたくなくて、無我夢中で甘い唇を塞いだ
時折口端から漏れる吐息まで、俺の感情を揺さぶる

強引に押付けた欲望の裏で、
ナミが泣いて抵抗したら、きっと俺はこんな卑劣な行為を続けられない

「んっ、ナミっ…！」

小さな顎を掴んで、上を向かせると、茶色の潤んだ瞳と目が合う
吸い寄せられるように、そのまま瞼にも、できるだけ優しくキスを落として、白いうなじに噛み付いた

甘い、柑橘を思わせる香りが拡がって、そのまま手を、身体のラインをなぞるように胸に滑らせた

どこかで、ナミが嫌だ、と
泣いて俺のこの身体を押し返してくれることを期待していたのかもしれない

でもナミは、そのか細い腕を、頼りなく俺の右肩に回して、ただ力なく俺の背中にしがみついているだけで

なんで、コックが居るのに

俺に抵抗しねぇ

なんでコックは気にしないなんて言ったのか

なんで、俺はっ…

目の前の、ナミを見つめていても
その後ろに、嫌でもコックの顔が浮かぶ

いつも、俺が気が気じゃないあの夜に
2人はどんなふうに過ごして

どんな風にあの男に抱かれているのかと思うと

俺は…

｢っ…悪ぃ…｣

ナミの華奢な肩を両手でそっと引き離して、ベッドに沈めた

乱れたシャツの隙間から、除く白い肌が、上下にハァハァと揺れる

｢ゾロっ…｣

なんで

なんで、抵抗しねぇ

俺を見つめる大きな瞳には、俺を責める様な色は一つもなくて、思わずナミを責める様な言葉を口にしそうになって、口をつぐむ

俺の欲望を、俺が押し付けただけなのに

｢悪かった。忘れてくれ…｣

俺がそう呟いた時、
ナミはキュッと口を結んで俯いた

それと同時に、コツっ…と、医務室に近づいてくる聞きなれた音を感じて、
その足音の主に、察しがついた時、

俺は思わずナミを抱きしめた