side ゾロ ページ14
「あら、随分早いのね」
そりゃそうだ
惚れている女と一日島で過ごせるとなれば、俺だって早く起きるくらい朝飯前だ
階段から顔を出したナミにそう声をかけられ
まぁな
とぶっきらぼうに返した
ナミは、相変わらずコックだけじゃなく、
男の視線をベットりと貼り付けさせそうな、薄い洋服で、その豊かな体を惜しげも無く見せつけるように、身体のラインが顕になるタイトなワンピースを纏っていた
その下の胸や、太ももの膨らみを想像して
俺の中心も熱くなった
「ぅおー！島だぞ！行くぞーっ！！」
ルフィは、久々の島に浮かれているようで、あっという間に駆け出していく
俺は、あいつのように浮かれるどころか、変な緊張が襲ってくる
「ほら、私達も早く行きましょ」
ナミは、そんな俺の気持ちを知らず、
あろう事か俺の腕をとって、ぐいと引っ張る
久々に上陸した島は、物流の拠点となって賑わっているのか、活気があり、商売が繁盛して景気がよく栄えているように見えた
漁港があるときいたが、
珍しい色の魚が市場に並んでいるのが見えた
「あ、あそこ！美味しそう！」
ナミは、目を輝やかせて、指さした先には
洒落た酒場が見えた
バーのカウンターには、昼から人が座っている
「おい、酒を買うんだろう？あれは酒場だ」
「何言ってるのよ、試飲よ！」
ナミは当たり前、というようにニコッと笑うと、俺を差し置いて、ずんずんと進み、勝手に店の中に入っていった
やれやれ、と思いつつ彼女の後を追う
今更だが、コックのことは良かったのだろうか
昨日、ロビンに熱心にこの街のことを聞いて、真珠がどうとか、ナミに似合いそうだとか盛り上がっていたが
でも、そんな恋敵の名前を出すのは
癪だから、その思いを飲み込んで、俺も酒場に足を踏み入れた
「これ、ショットで、ふたつ、コイツにも」
既にカウンターを陣取ったナミが、
綺麗なグラスに、強めの酒をふたつ、頼んでいた
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作者名：新世界のハート | 作成日時：2024年2月22日 19時
