PRIDE（プライド） (ページ13)

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side ナミページ13

本当は、もう少しで上陸する島は、久々に2人きりの時間が取れるかもと期待していた。

新鮮な魚介が有名と聞いて、もしかしたら
サンジくんの買い物に付き合って、その後は素敵なレストランで2人でデート、なんて

そんな誘いを期待していたけれど、
彼からそんな話はなくて

ゾロに荷物持ちをさせる

なんて、わざと彼の嫉妬をかうように言ってみたけれど、
彼は食器を片付ける手を休めることはなく、

そんなやつ、ほおって置いて俺と過ごそう

とは、言ってくれなかった。

サンジくんは、大人で、冷静で、いつも優しい
だから私がどこで誰と何をしようと

気にもとめない。

それでも今朝直前までは、ゾロにお酒を弁償させた後は、アイツに荷物運びを押し付けて2人で一緒にデートなんて、と考えていたけれど

朝に、甲板から芝生を見渡すと、
チェアでくつろぐロビンにサンジくんがお茶を出している所だった

会話の詳細は聞こえなかったけれど
熱心に次の島のことを聞いていたから、もしかして、と思ったけれど、私にお誘いはなく

もしかしたら、ロビンとまわるのかな

だって、サンジくんは
世の中の女の子のこと、みんなが好きだし

私はよく考えると彼に
彼女になってください

と言われた訳では無い

もしかしたら、私はサンジくんにとって
都合のいい女の1人に過ぎないのかもしれない

2人で過ごす夜は、決まって身体を重ねる
それが私の役目なのかもしれない

そんな事を考えると無性に自分が惨めに思えてきて

ふと気づくとサンジくんが私の隣に立っていて、その切れ長の目を伏せて顔を近づけてきたから

｢っ…｣

飲みかけの紅茶を置き去りに、席を立った

｢あれ？ナミさんもう寝るの？｣

｢つかれてるの。おやすみ｣

サンジくんの、キスを拒んで
私はキッチンを後にした

パタン、としまったドアが、やたら乾いた音がした