sideサンジ ページ12
「次の島での予定は?」
キッチンで、航海日誌を書いている勉強家のプリンセスに、温かい紅茶と、クッキーを差し入れたときに、俺がそう聞くと、ペンを走らせる手がふと止まった。
「ゾロに、この間勝手に飲まれたお酒を弁償してもらうわ。
特段高いやつ!」
ナミさんは、思い出したように手に力を込めた。
荷物持ちもさせて、洋服を買うのよ!
と息巻いている
次の島では、食料の買い出しを済ませたら、
ナミさんとデートするのもいいかな、なんて俺は浮かれていた。
ロビンちゃんからの聞くところによると
次の島はなんでも、新鮮な魚介が有名な漁港を有する島らしく、リゾート地としても人気のあるその島では、真珠産業も盛んらしい。
ナミさんの美しさにお似合いな、素敵な真珠のピアスのひとつでも買って差しあげてぇ
そんなことを思っていたが
真っ先に、マリモと過ごす、と言われて俺は黙ってしまった。
そんなやつのことは気にしないで、
俺と過ごして欲しい
そう言えばいいのに、俺の口から出た言葉は
「そうか。きっとナミさんならどんな洋服でも着こなしちまうよ」
そんな当たり障りのない言葉だった
嫉妬なんて、バカみてぇだ
そんな情けない思いで彼女を失望させたくなくて
俺は、至って冷静を装った
相手がマリモだろうが仲間だろうが
彼女を俺以外の男と2人きりになんてさせたくねぇ
彼女は俺のものだと、どす黒い独占欲に支配される
でもその言葉は、俺の胸の中で握潰された
嫉妬なんて、情けねぇだろ
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:新世界のハート | 作成日時:2024年2月22日 19時