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母の様な人間に成りたく無かった。
私は間違ってでもあんなクズの道には進みたく無かった。
だから認めて貰える程の努力をした。
それでも私は何も無かった。
純粋な気持ちで楽しめない、私の脳内を埋め尽くすのは憎悪と嫌悪の言葉だらけ。
自然な笑顔を人に見せられない、本当の笑い方何て忘れてしまったし、私自身もう造り笑顔でしか生きていけなくなってしまった。
羨ましかったのだ、私は。
裏表のないキラキラとした笑顔で、誰かに囲まれている夢唯が。
私の心の奥底のどす黒い感情にも気付かずに明るく接してきた夢唯が、憎かった。
母程でもないが、私はとてもとても夢唯を妬んでいた。
「ほら、貴方も私と同じ」
「皆、皆、貴方の事を知れば“最低”“クズ”“正気じゃない”と罵るわ」
誰かが頭の中で私を罵った。
私の周りに居る全ての人間も、若利でさえも、冷めた目で私を見つめている気がした。
それはまるで____
「貴方はただ現実から目を逸らしていただけで、本性は」
「私と同じクズなのよ」
私を生きる価値の無い人間だと嘲笑っている様だった。
私は、この声に聴き覚えがあった。
幼い頃に何度も聴いた、憎たらしい程の声。
そう、その声は私の本当の母親だった。
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サラン(プロフ) - 梨月さん» お褒めの言葉、有難う御座います(*^^*)ご期待に添えられる様、努力致します!これからもこの作品を宜しく御願いします^^* (2017年8月13日 14時) (レス) id: 35f8c5cbb5 (このIDを非表示/違反報告)
梨月 - この小説おもしろすぎ!! 同窓会で何が起こるのか楽しみ。。 続きたのしみにしてまーす)^o^( (2017年8月10日 17時) (レス) id: b4a84e38e5 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:サラン | 作者ホームページ:http://uranai.
作成日時:2017年8月1日 21時