World is mine 2 (ページ7)

今日:251 hit、昨日:141 hit、合計:58,034 hit

檜山が居ないページ7

･

『…こせ、なんかへんだよ？だいじょうぶ？』

珍しく俺の名前を呼んだと思ったらすっと顔を覗き込んでくるA。

檜山「…たぶん、ダイジョーブ」

なんとなく身体が重い気はするけど…
とりあえずいまは目の前の舞台をこなさないといけないから若干感じる不調には目を瞑って自分を奮い立たせる。

記憶も曖昧に幕が降り、多分安心したんだと思う。

『こーせー、ほんとにへんだよ、…光成、、？』

俺を見つけるなり駆け寄ってきたAの声にも気が抜けて、
急に来た目眩で目の前にいたAの肩を借りた。

『わっ？！こうせい？？』

深田「うお？！檜山くん大丈夫？！」

小柄なAが俺を支えきれる訳もなく、
言うことがきかない俺の身体と一緒に傾く彼女ごと竜生が支えてくれた。

黒田「光成なに？！どしたの？？」

檜山「…ゃ、なんか、具合悪い」

ゆっくり座らされたパイプ椅子の横で心配そうな顔でしゃがみ込むAが見える。

『こうせい、だいじょうぶ…？むりしないで』

小さい手が俺の背中をさすってくれるA。

そんな泣きそうな顔しなくても大丈夫だよ、って頭を撫でてやりたいのに全然身体は動かないし。
これは本格的にやばいやつだと理解する。

結局俺はその日からしばらく体調が戻らず舞台に穴をあけることになった。

最後に見たAの泣きそうな顔が忘れられなくて、
休みながら連絡はこまめに取っていたものの

案の定Aの元気がないから早く戻ってこいと湧からお達しがあった。

･