World is mine 2 (ページ29)

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事の詳細を舌っ足らずな幼さを含んだ口調で一生懸命お話してくれるA。

代わりに飲むフリして余計度数高い甘い酒飲ませるなんてやってる事やべぇだろ。
絶対酔いに任せて送り狼するつもりだったんだろうけど、あいにくうちのAは言い寄られ慣れてるからそんなんじゃ落とせねぇよ。

マジであの男ぶっ飛ばす。
直ぐにマネージャーに連絡してどうにかさせよう。

『わくちゃん…』

元木「んー？なあに、どしたの？」

今だ床に座り込んでぽやぽやしてるAにお水を差し出せば両手でコップをもってちびちび飲む姿が余りにも可愛くて頭を一撫でする。

元木「目とろんとしてる。かわいい」

頭に乗せた手をAが取ってその間にぎにぎと手を繋がれた。
なんそれ、かわいいな。

『やっぱ、全然やじゃない。手もつないだら落ち着く』

今度は握った手を自分の頬にくっつけてすりすりし始める。
なんそれ、かわいすぎるな。

元木「Aちゃーん、なに、甘えたさんなの？」

『んーわかんない！でもね、あの俳優さんに手握られたり可愛いねっていわれるのなんか好きくなかったの。でもみんなにぎゅーされたりかわいいしてもらうのはAだいすきなの』

手握られた、はまじで聞き捨てならんがそんなことはどうでもいいくらいすごい可愛いこと言ってるからまあいいか。

元木「お前本当にかわいいな。
……ほら、今日も昼から仕事だからもう寝よ？メイクだけ落とすの手伝うから」

『わくもいっしょ？』

元木「…あー、うん。分かった分かった。一緒に寝るからこのパーカー着て顔洗お？はい、ばんざいして」

俺の胸にぴっとりくっついて眠るA。頭を撫でればすやすやと寝息が聞こえてくる。
本当にAさんは俺の理性に感謝してくれよー。

次の日起きて断片的に思い出したA。

『わくちゃん夜中に呼び出して本当にごめんね…しかも服も洗ってくれてるし本当に出来た同期すぎて足向けれない…』

Aの記憶に残ってるのは飲み会での嫌な体験と俺が迎えに行ったところまでらしく、俺が頑張ったんはそこじゃないんだけどなー、って感じだけど。

あの可愛かったAは俺だけの秘密にしといてやるわ。

結局迎えに来た車に俺の家から2人で乗り込めば車内で事情聴取が始まって

極めつけは皇輝くんの一言。

皇輝「湧、送り狼になってないよね？」

…もー、俺の努力を称えてくれる奴はいねえのかよ！！

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