World is mine 2 (ページ27)

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『あの、ほんとうにわたし少ししか呑めなくて……！』

最初の1杯はお祝いのシャンパンだからと口にせざるを得なかったけど、その後流れで断りきれずにつがれていくお酒。

場の空気も悪くしたくないし、自分のお酒のキャパも守りたいしどうしよう…

そう思っていると隣にスっと相手役を務めていた俳優さんが座ってきた。

「飲んだフリしてれば大丈夫だよ。俺が飲んで後でソフドリに変えとくから」

耳元で小さく囁かれたその言葉に助かった…と安堵していたはずだったのに。

少し経った今では隣の彼も酔いが回ってどんどんこっちに近付いてくる。

それになんだか私の体までぽかぽかあったかくて、なんだか上手く思考が回らない。

よくよく考えてみれば彼がソフドリと言って頼んでくれたこのジュース、
トロピカルぽい味で甘くて美味しいけど、これを飲み始めてから高揚感とふわふわが増した気がする。

彼に疑念の目を向けてパチリと目線があったのを合図になぜだか肩が触れた。

「Aちゃん、顔赤くて可愛い。素直ないい子って噂本当だったんだね」

『なに、？どういう……っ！ちょ、！！』

すりっと太ももに手が触れて思わず身をたじろぐ。
誰か周りの大人…そう思って見渡すけどみんなそれなりにお酒に酔っていて周囲のことなんて気にも留めていない様子。

撮影の時全然こういう人じゃなかったのに、酔っ払ってるのかぐいぐい近づく距離に恐怖心を覚えていた。

「男の子に囲まれてるから慣れてるのかと思ったけど、照れてる所も可愛いね？…もうすぐお開きになるから送るよ、俺」

太ももから手に移動して、机の下でぎゅっと握られた。

メンバーに触られるのは1度も嫌だなんて思ったことないのに

同じ男性でもこんなに違うのか、ってくらい今は怖くて嫌悪感でいっぱいだった。

こわい、どうしよう…っ。

『…っねね、さっきの、あのジュース、あまくておいしかったからもう一杯飲みたいなあ？』

話題を逸らしにドリンクの話を振るとみるみるうちににっこりとした顔になっていく。

その顔を見て確信した

やっぱりあればアルコールだったんだと。

バーカウンターにお酒を取りに行った隙に何とか正気を保ちながら御手洗に逃げ込んだ。

1人になった瞬間酔いもまわってくらくらする中
どうしよう、開いたスマホ

真っ先に飛び込んできた名前に酷く安心した。

『…っわく、ごめん、おむかえきて…っ』

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