World is mine 2 (ページ24)

今日:112 hit、昨日:141 hit、合計:57,895 hit

憑依型ページ24

ﾄﾞﾘﾎﾞ23のお話.配役捏造│心臓病の妹役(ｺｳｷのポジション)
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

公演も折り返しを迎えた頃
身体に疲れも溜まり始めて少し体調を崩すメンバーもちらほら出始めていた。

主演のふたりに比べちゃ俺らの疲労なんて足元に及ばない位だけど、
毎公演熱演すればエネルギーも精神力もさすがに消耗するわけで。

特にAは重い病気を持つ妹役を演じてて、毎公演彼女の迫真の発作シーンは肝が冷える。

今日はいつもよりAの感情が乗ってるな、とは思ってたところで予期せぬトラブルが起きた。

『お兄ちゃん……っ！待って！！連れて行かないでっ……ぅ、はぁ、っはぁ、く、るし…っ』

｢｢A、！！｣｣

翔太くんが警察に連れて行かれてAが発作で倒れるシーン

いつもみたいに駆け寄ってAを抱き起こしたけどなんか様子が違う。

本当に息が上手に吸えてなくて、他の人のセリフにも被るくらいマイクにAのくぐもった呼吸音が乗る。

思わず近くの光輝と渉と目が合って、演技を続けながら咄嗟に光輝がAのマイクの角度を変えて口元から離した。

檜山｢A、しっかりして！大丈夫だからね｣

渉｢俺が病院まで連れてくから！｣

暗転と共に本来であれば急いで捌けるが、案の定暗くなってもAは倒れたまま苦しそうに呼吸するばかりで動かない。
聞こえないように｢大丈夫大丈夫｣と声をかけながらAを抱えて舞台袖まで駆け抜けた。

黒田｢A！大丈夫！？｣

袖にはけると一部始終を見てた面子が心配そうに集まってきた。

『…っごめ、役に入りすぎて…っはぁ、っはぁ…っ』

渉｢感情移入し過ぎちゃったんだね。１回落ち着こ｣

抱きしめながら背中をさすると徐々に過呼吸も落ち着いて来た。
本人が1番びっくりしたのか、怖かった…と俺の胸に顔を埋めながらぴったりとくっついてきた。

檜山｢次幕間でよかった。少し休んで気持ち切り替えよっか｣

楽屋で少し休みながらAを落ち着かせてると翔太くんも慎太郎くんも大丈夫？？と声をかけに来てくれた。

すみません、と小さく謝るAに2人は気にしないで！2幕も無理せずよろしくね、と優しく対応してくれたのが本当に救いだった。

おかげでAも俺達もさっきのトラブルを引きずらずに無事幕を閉じることが出来た。

・