World is mine 2 (ページ23)

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診察が終わっても肩で息をしながら苦しそうにもたれ掛かるA。
白くて細い腕には何度も刺された点滴の痛々しい痕がついていた。

元木「おれ会計してくるから深田と黒ちゃん先に車戻っててくんね？」

深田「おっけー。Aちゃん、歩ける？」

『んっ…、』

目をつむったまま小さな返事が返ってるくけど一向に動こうとしないAを見兼ねた深田は抱き上げてエントランスを出ていった。

結局Aを連れて黒ちゃんの家に向かい、3人で看病することにした。

極論俺らが心配でたまんなかっただけだけども。

『っはぁ、…っ、ぁ』

深田「ずっと苦しそうじゃない…？これほんと大丈夫なん？」

黒田「可哀想だなこれは…解熱剤早く効くといいんだけど｣

苦しそうに息をするAに誰かが「我慢しすぎなんよ」と本音を漏らす。

最近忙しかったから疲れも出たんだろ

汗が滲む額に冷却シートを貼るとその刺激でうっすら覚醒し涙が滲む瞳で俺を捉えた。

『……ぉねがい、そばにいて…っ、さみし、』

俺の手に擦り寄るAに思わず3人で目を合わす。
熱に浮かされていつもは言わない本音がポロリと漏れたに違いない。

元木「当たり前だろ。行かないよ、どこにも。ちゃんと傍にいるから今は寝な？」

俺の言葉に安心したのかゆっくりと目を閉じて、
さっきよりも少し楽な呼吸で眠りに付くA。

黒田「……待ってよ、何今の」

深田「…こんな素直に甘えるAちゃん初めて見た。エグい。破壊力。」

「「かっわいい…！」」

前に檜山が言ってた具合が悪い時のAは色々と心臓に悪いっていうのはこういうことか…と荒ぶるふたりを見て逆に冷静になることが出来た。

元木「毎回こんなんされて平気な顔してんのあいつすげぇな…」

今更俺とAの関係を変えるつもりもそんな願望も今の自分は持ち合わせてはいないけど

内心2人がいなかったら結構危なかったかも、なんて。

何も言わずに2人をみると「分かってるよ」と困った様に笑う顔が返ってきた。

きっとみんな少なからず1度はAに対して特別な気持ちを抱いたことはあるんだろうけど、
彼女がそれを望まないことはわかっているから
男同士の話でも誰も口に出したことはない。

俺達がAの居場所でありたいと願う限り
一生続く生き地獄みたいなもんだ。

次の日にはケロッと元気になった彼女を見て
結局一番近くて遠い距離に落ち着くんだろうな。

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