World is mine 2 (ページ3)

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檜山「A、｣

『…っ！びっくりした…ひやまとふかだだ…』

先程とは打って変わって、優しい声色でAちゃんを呼ぶ檜山くん。

俺たちだとわかったAちゃんはひどく安心した顔をしてこちらに駆け寄ってきた。

立ち話もなんだから近くのカフェに3人で入り話を聞いてみることにした。

深田「1人で大丈夫なん？どうしたの、そんな顔して」

檜山「またなんかあった？」

『…ううん、何にもないんだけど…そろそろ1人で移動するのも慣れないとなあって思って』

行きも迎えに来てもらったりみんなだって予定あるのに家まで送ってもらったり…
そういうのだんだん申し訳なくて、と俯くAちゃん。

深田「そんなん別にいいって。俺らがやりたくてやってんだからなんも心配しなくていいんだよ？」

檜山「それでずっと最近浮かない顔してたのね。今日は1人で電車乗ってここまで来たの？」

『…うん。練習、しようと思って…』

檜山「そっか、えらいね。よくがんばりました」

ぽんっと頭を撫でる檜山くん。
ここでもやっぱり全肯定。
でも、そんな檜山くんの言葉に少し安心した顔をしたAちゃん。

同い年なはずなのに檜山くんの方が何倍もAちゃんより年上に見えて仕方なかった。

『で、でも…帰り、ひとりで電車乗るのやっぱり怖くて…。タクシーも、何となくおうちまで付けられたらどうしようって思って…』

どんどん小さくなって、仕舞いには横に座る俺の袖をきゅっと掴む。

深田「だいじょーぶだよ、ゆっくり焦らずでさ」

檜山「そうそう。えらいよ、ちゃんと自分でがんばってここまで来たんだから。帰りは俺らと一緒に電車で帰ろ？」

『…いいの…っ？ふたりはせっかく遊びに来てるのに…』

深田「そんなんAちゃんの方が大事に決まってるでしょ？檜山くんとデートなんて毎日でもできるんだからね？」

檜山「え〜俺毎日竜生と買い物行くのはイヤ笑」

『…ふふ、ありがとね』

やっと柔らかく笑うAちゃんを見て俺達も安心した。

結局買い物も早々に、ラッシュ時間の前に3人で電車に乗って帰ることに。

ラッシュは避けたと言っても学生は学校が終わったのかチラホラと増え始めており、
俺たちに気付く子も出始めた。

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