World is mine 2 (ページ16)

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そういうところページ16

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『湧ちゃんとデートだあ～』

そういいながら助っ席でうきうきしてるA。
オフが被ったから黒ちゃん達の舞台を見に行こうと前々から約束していた。

元木「舞台まで時間あるしどっかで飯食ってこ。A何食べたい？」

『湧ちゃんの食べたいのでいいよ～』

元木「……お前ほんとそれ直んねえのな」

2人の舞台はもちろん楽しみにしてたけど、
俺的にはAを連れ出す口実にもしてた訳で。

元木「最近ちゃんと食べてないっしょ」

『たべてるよ、』

隣で手をいじいじし始めたから本当にわかりやすい。

元木「お前さー、相変わらず食事に興味ある時とそうじゃない時の差どうにかなんないの？…正直また痩せたろ」

『それは…でも前よりはがんばってるよ……？』

赤信号で止まったから隣に目を向けると下から見上げるAはぷるぷる震える子犬みたいな顔してた。

元木「まぁ、前よりは頑張ってるか…えらいえらい」

つやつやな髪を撫でてやると今度は満足そうに笑うからAの飼い主にでもなった気分だ。

『食べるの苦手なわけじゃないんだけどお腹空かないの』

いつも絡んでる檜山や黒ちゃんが居ないのも、きっと寂しくてAのメンタルに影響を与えているんだろう。

たまに会う仕事場でもほとんど食事を摂ってる所を見かけないって珍しくおりやわたも心配してたし

さすがになんか栄養あるもん食わせないとまた身体おかしくなっちゃうよな、と俺も焦ってきたところだった。

元木「ちゃんとご飯食べてから2人に会いに行こ？痩せたA見たらまた心配しちゃうよ」

『心配は、かけたくない…ですね』

元木「はいじゃあ大人しくお食べ下さい～」

こうやって一緒に食べる機会があれば箸が進むのは分かってるんだけど、
ここ最近はそれぞれ個々の仕事が多くて一緒にいれる時間が少なかったから久しぶりにちゃんとご飯をたべてるAを見て安心した。

『ふつうにがんばるって難しいね』

なんでも器用にこなすくせに自分に対してはすごく不器用になることは彼女自身が1番分かっていることで。

『みんながいないと何にもできないなあ』

元木「女の子はそんくらいが可愛いからいいんだよ」

俺の言葉にめずらしく照れた表情を浮かべて俯く。

『……っも、こっち見ないで』

元木「ふーん、まだカワイイとこあんじゃん笑」

『…うるさいっ』

寂しさからかやたら素直なAが見れてちょっと優越感あるな。笑

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