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深田「Aちゃんは…？」
そう言って腰に手を当てながらホテルに戻ってきた深田。
元木「お前もう大丈夫なの？」
深田「上手い具合に受け身とれてたから軽い打撲で済んだ！腕はちょっと切ったけど」
そう言ってヒラヒラと包帯をみせる深田。
あの後2人とも病院で診てもらってどちらも大事には至らないとさっきホテルに戻ってきたらしかった。
いつもは1人部屋のAも今日ばかりは不安なのか戻ってきて早々マネージャーに抱えられながら「誰か部屋変わってあげてくれない？」と言いに来て、Aの部屋に俺と檜山と黒ちゃんで駆けつけたところだった。
檜山「竜生が守ってくれたからAも軽い打撲で済んだって。熱の方は点滴打ってきたけどまだこんな感じ」
まだ苦しそうに眠るAに目を落とす深田。
深田「そっか、無事でよかった…」
黒田「深田、Aが具合悪いの知ってたの？」
深田「…その件に関しては俺が全部悪い」
元木「なに、どういうこと？」
俺の追求にバツが悪そうに目を伏せる。
深田「Aちゃんにさ、限界が来る前にちゃんと言ってね？って約束したんよ。
でもこの子にとっては、それが1番難しいことだったのに気付けなかった…」
Aちゃんが無理だって思った時はもう既に限界を越えるくらい頑張っちゃってるんだもん…と肩を落とす深田。
檜山「…まあけどAが望んでそうしたことでしょ？竜生はAの気持ちを汲んで俺らに黙ってたんだろうし仕方ないよ。そういう味方も居てやんないと、ね？」
そう言って檜山はちらっと俺にも視線を向けた。
俺もAが大事だから隠してたことを追求したい気持ちがない訳でもないし、
深田のことも大事だから一歩間違えたら大怪我してた可能性だってあったんだぞって強く言いたい気もしたけど
深田を慰める反面、
何か言いたげな俺を多分察して諭すように話す檜山を見て
この件に関して口出すのはやめた。
いつから起きてたのかAの頬に涙が流れるのが見えた。
元木「…ほら、Aの手握ってやって？」
深田の手を握り返してゆっくりと瞼が上がる
『りゅせ…っ怪我させてごめんなさい』
深田「平気だよ、泣かないで？俺も全部わかってあげれなくてごめんね」
自分だって痛い思いしたくせにAが傷付かないように優しい顔で全部を受け入れるから、
俺に言わせればお前も器用すぎてたまに心配になるわ。
本当、似た者同士。
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作者名：Nanashi | 作成日時：2024年3月10日 21時
