ラブシャッフル (ページ6)

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許してくれとは言わない、ただ、忘れて（sota）ページ6

訳あり男女￤切ない￤純愛
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『オニーサン、どこの人なの？』

いつもこの時間ここにいるじゃん、と
平日の昼間には似つかわしくない制服を着た女の子が俺の横にちょこんと座る。

「ジョシコーセーこそ学校の時間なんじゃないの？不良だねえ」

『…ま、いいじゃん細かいことは』

ボーッとふたりで高台から遠くの景色を眺める。
何度かここでこの時間に彼女と会って、そこから一言、二言と交わす言葉の数が増えていった。

知っているのはAちゃんと言う名前で学校をサボる女子高生だということだけだった。

「そのほっぺた、痛そうだね」

『まあね…、オニーサンこそ顔色悪いけど大丈夫？』

「うん、おれは平気」

颯太くんの雰囲気って落ち着く。

そう言って何故か懐かれた俺は、よくAちゃんのサボりに付き合ってここで色んな話をした。

Aちゃんは学校の友達と上手くいっていないらしく、度々抜け出してはここへ来ているようだった。

今日あった些細なことや思い出話をAちゃんから聞く度に、自然と自分が同じ体験をしているかのような気分になって俺も心地よかった。

Aちゃんは綺麗だ。
純粋で、筋が通ってて

彼女が今見えている世界は
Aちゃんが身を置くには些か生きにくい所だと思ったけど

俺と話す時に優しい顔になるから
彼女のことが愛おしくて俺は堪らなくなっていた。

それでも彼女と過ごす時間はそう長く続かず、
彼女に悟られまいとあと何回ここで会えるかを数えるようになった。

そうして数えた日々もあっという間に過ぎ去って
もう二度と会うことはないのだと悟っていた。

俺に初めてできた愛しい人。
こんなに誰かに想いを馳せるのは人生で初めてだった。

あぁ、人を好きになるっていうのは
こういうことなんだね。

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