World is mine (ページ43)

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深田「檜山くん！来て、Aちゃん過呼吸になった！」

昼夜間で寝ているとバタバタとエアベットをまたいで竜生が楽屋に飛び込んできた。

檜山「どこ？」

深田「湧くんの楽屋！」

一気に目が覚めて俺も後を追って飛び出す。
言われた場所に向かえば光輝に後ろから抱きしめられて、正面から湧に顔を覗かれるAの姿。

苦しそうに肩を上下させて胸元をギュッと握りしめている。

黒田「ちょっと前まで俺んとこで寝てたんだけど急におきたと思ったら過呼吸なって、湧呼んだけど全然落ち着かない」

元木「A？きこえる？檜山も来たよ、もう大丈夫だよ」

『っ、ふ、…っはぁ、っ、』

浅く短い呼吸を繰り返し、光輝に支えてもらわないなと今にも身体が傾きそうなくらいぐったりとしているA。

檜山「A、大丈夫、大丈夫。光輝、Aの身体ちょっと前かがみにして支えてて｣

黒田「おけ。Aー、身体少し前に倒れるよー。湧と二人で支えてるからね、大丈夫だよ」

檜山「ちょっと苦しいけど我慢な。ゆっくり息はいて…ん、上手だよ」

息を吸いすぎて吐けなくなっているAを安心させるように口元に綺麗なタオルをあててやり、ゆっくりと呼吸するように声をかける。

様子を見に来た皇輝達はこの様子を察して楽屋からほかのメンバーを遠ざけて静かな環境を作ってくれた。

15分くらいかけて徐々に呼吸が落ち着いてきたAによかった、と安堵の表情を浮かべる。

冷たくなった手を握ってやると震える手で握り返し小さく俺の名前を呼んだ。

『…こせ、』

檜山「ん？」

『…ど、しよ…こわい、ステージに立つの、こわい』

Aの一言にみんなが顔を歪める。

昼公演でいち早く察した長瀬がAの代わりにアクロを飛んだ時からこうなる気がしてた。

深田「Aちゃん…」

元木「とりあえず落ち着くまでここに居よう。皇輝くん人払いしてくれてるし」

檜山「…A、こっちおいで。泣いていいよ、俺隠したげるから」

光輝からAを抱き直して胸に閉じ込めた途端に声を殺しながら泣き始めたA。

よかった、泣いてくれて。

抱きしめたAを膝に乗せてゆらゆらさせながら頭を撫でる。

檜山「…Aはどうしたい？」

『…っわか、んないっ…視線がこわい、でも、っ逃げたくも、ない、』

檜山「じゃ、俺たちに守らせて」

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