World is mine (ページ40)

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あくとわん2 ページ40

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ここ最近身の回りに視線を感じることが増えた。

こういう仕事だからプラベで声をかけられることもあるけど、そういう善意のものとはまた違ったものを向けられてるような気がすることが多々あった。

応援してくれる気持ちは嬉しいけど舞台期間中は出入り待ちが特に増えるし、そういう子も一定数いる。
だけどただ着いてくるだけの子も多かったし、電車に乗っちゃえばそこまでで終わるパターンがほとんどで。

でも最近、現場と現場のひとり移動の時に絶対見かける子がいる。
舞台終わりやみんなと帰ってる時はいないのに、私が1人の時に必ず。

でも盗撮したり声をかけたりする訳でもなく、ただいるってだけ
私より少し歳上のお姉さんに見える子。

まだなにかされた訳じゃないし大丈夫、……だいじょうぶ。

『わ、ごめん楽屋に忘れ物した！先行ってて！』

檜山「ついてこうか？」

『ううん！大丈夫！駅まで歩いてて〜追いかける！』

舞台終わりいつも一緒に帰ってるメンバーを置いて楽屋に戻る。
まだ残ってるメンバーに忘れ物を取りに来たことを伝えてまたバイバイしてみんなの元へむかう。

「……Aちゃん」

基本的に出入り待ちするような子には対応しないよう言われているけどあのお姉さんがはじめて声をかけてきたからびっくりして思わず顔を上げてしまった。

『…っ、えと、すみません、急いでて、』

「Aちゃん…あのね」

何となくこわい、と思って私に伸ばされた手を避けてしまった。

振り払った瞬間何となくだけど彼女の目の色が変わった気がしてゆっくりと私に近づいてくる彼女に思わず足がすくんでしまう。

長瀬「なにしてるんですか？」

すっと私の前に割って入ってくれた長瀬と海琉。
その後ろにはさっきまで楽屋に残っていたみっちー達もいた。

「いえ、別に」

そう言ってその場から足早にいなくなるお姉さんが見えなくなるとドキドキと自分の鼓動が早まったのが落ち着いてきた。

稲葉「Aちゃん大丈夫…？なんか近付かれてたように見えたけど…」

鈴木「こういうことする時点でファンじゃないんだから優しさなんてかけなくていいんすよ」

『…え、あ、うん。だいじょーぶ！久しぶりに至近距離に来られたからびっくりしちゃって』

えへへ、と誤魔化すように笑って反対方向のみんなと別れようとすると長瀬だけは眉間に皺を寄せたまま私の様子を見て「俺Aちゃん送ってくる」と私の手を引いて駅まで歩き出した。

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