World is mine (ページ36)

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あくとわん1 ページ36

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『湧ちゃーん、』

元木「あいあい、なんですか」

曲、できた。

ぽつりと呟いた瞬間雑音だらけだったレッスン場に静寂が走る。

リミックスの音源が完成したあと、ついにグループの新曲も書き上げたA。
俺たち振り班は大まかなメロだけは先に貰っていてどんな雰囲気にするかの話し合いはしていたけれど

『今の忍者が最大限引き出せるように私の全部かけた。命かけた』

星輝「……やっばいわ、本当天才」

長瀬「えぐい、なんかもう俺言葉でない」

初めて曲を聴いた時、頭にガツンと殴られたみたいな衝撃が走って全身に血が巡って体験したことないくらい高揚した。

この曲はやばい。

イントロを聞いた瞬間から誰も言葉を発していないけどこの場にいた全員の感覚が共通していた。

織山「…Aほんとうにありがとう」

珍しく織山がAを抱きしめて頭を撫でる。

元木「すっげえかっこいい。頑張ってくれてありがとう。お疲れ様」

『〜っ！がんばってよかった、あんしんした』

ぎゅーっと効果音がつくくらい抱き締め返しにこにこと笑うA。

『バトンタッチするね、忍者をよろしく。私たちを1番輝かせてね』

そう言って俺たちとハイタッチするA。

織山「任せて。俺らも命懸けで絶対いいもん作るから」

曲ができてメンバーの士気が最高潮に達してからはトントン拍子とは行かないもののなんとか形になって

全体の通し稽古で俺たちの全てを出し切ると、ほかのグループの仲間達や大人の人から大絶賛をもらってあとは本番までに各々が落とし込むだけになった。

『ばなさん、お世話になりました』

矢花「いえいえ俺はなんにも。てか本当にリミックスもDreamersもやばいよかっこよすぎて……お疲れ様でした」

お互いぺこぺこと頭を下げあって労いの言葉をかける様子をみんなが微笑ましく見守った。

前までは年齢も経験もバラバラ故に誰かが先頭に立って引っ張って行かないと進まないグループだったけど、

今では少しずつグループ内での自分の役割を感じながら横並びで進めるように成長出来ている気がする。

Aは俺らにとって起爆剤であり芯でもある。

『わくちゃーん、舞台がんばろうね』

元木「絶対成功させんぞ」

これから始まる俺たちの物語を彼女と歩めるのが
楽しみでたまらない。

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