World is mine (ページ35)

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皇輝「……うわびっくりしたぁ！」

少し先で立ち止まり頭を抱えている皇輝くんが視界に入る。
近づくと事務所のソファでPCを抱きしめながら丸まって眠るAの姿。

テーブルには手書きの楽譜やヘッドホンが散らばっていて
大方煮詰まってスタジオを出て作業してたところ力尽きたって感じだ。

元木「皇輝くんはよー、しっかり寝落ちてんのな」

皇輝「午後からのミーティングだけだったから早くからきて作業してたんだね……にしてもこれは……」

元木「相変わらず無防備すぎ」

こんな誰が通るかもわからん廊下のソファで寝るなんて根詰め過ぎだっつーの。

颯太に任せてから進むべき方向が定まったのかより1層曲作りに身が入っている様だった。

寝かしてやりたいけどこんなとこだとな……と頭を抱える皇輝くん。
上着をAにかけてやり、とりあえずミーティングが始まるまでは2人でそばに座って見守ることにした。

次々にここの前を通るメンバーに驚きと気持ちよさそうに眠れてる安堵を与えるA。
そのうち誰かがこの様子を写真に収めグループラインで共有したもんだから一気に通知が多くなる。

黒田「こんだけ気持ちよさそーに寝てたら起こすの可哀想だなあ」

はいどーぞ、と寝てるAに声をかけテーブルにAが好きなミルクティーを置く黒ちゃん。

内村「俺からはサンドイッチ〜」

通りすがる度ぽいぽいと当たり前のように差し入れを置き始めるメンバー。
そのうちそんな様子を見た他グルの面々も労いの言葉をつづった付箋や差し入れをテーブルに置いてった。

皇輝「作ちゃんそれは…？」

作間「え、諭吉。起きたら好きなもん買ってもらおうと思って」

元木「こういう人がいるから俺たちここから離れられないんですけど〜笑」

数名様子のおかしいAガチ勢も混ざってはいたが
結局のところAが愛されてることには変わりはなくて。

目が覚めた時、テーブルに広がる沢山のAを思う気持ちにひとつひとつ愛おしそうに目を向ける。

元木「よかったな。まあみんなお前が大事だってことだよ」

『…うん、ありがとう。心配かけてごめんなさい』

皇輝「そろそろ始まるけどA行けそう？」

『うんっいける！元気でた！』

そう言って歩き出したAがあ！と俺たちに振り向いた。

『私がみんなを絶対に1番輝かせるからね』

だから任せて！と屈託のない笑顔で宣言する。

うし、俺達もあとひと踏ん張り頑張ろう。

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