World is mine (ページ26)

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檜山｢泣いてちゃわかんないよ｣

ぽんっと頭に乗っかる大きい手。
探しもせず一直線に私のところまで迎えに来るのも、ぜんぶずるい。

『…わたしだって、』

檜山｢うん、｣

私の横に腰を降ろす。
狭い階段のせいでピッタリくっついた肩から私の気持ちがぜんぶ伝わっちゃいそう。

『…ちゃんと忍者の一員だって、認められたい…… っお荷物になりたくない、』

檜山｢……Aがお荷物だって、いつ、誰が言った？｣

泣いてるのを見られたくなくて上げれなかった顔をぐいっと掴まれて無理やり目を合わされる。

この目に見つめられたら自分じゃ抱えきれなかった感情が爆発して、隠しておきたかったのに勝手に口から気持ちが出てっちゃう。

『っ、かわいい服きてるだけで目立てていいねって、頑張らなくても男の中にいればちやほやされるから楽だねって、わたし邪魔かな…っ？いっしょうけんめいやってるつもりだったけど、足りなかったんだよね、？』

仕事で一緒になった同業の女の子達の会話が聞こえちゃっただけ。

それなのにこんなに真に受けてるのは心のどこかでいつも不安だったから。
くやしい、泣きたくないのに勝手に涙が出てくる。

そっかそっか、と私を抱きしめて頭をぽんぽんと自分の肩口に押し付ける。

檜山｢悔しかったからAの武器のアクロ一生懸命練習してたんだよね？俺Aのそういうひたむきに努力できるところ昔から尊敬してる｣

『…っん、』

檜山｢でもさ？頑張りすぎて周り見えなくなるのも俺は昔から心配だったよ。頑張り続けることと休まないでやるってことは違うよね？｣

檜山の問いかけに小さく頷くとAならわかってくれると思ってたよ、とまたぽんぽんして私をあやしてくる。本当にこの人には敵わない。

檜山｢尚大はさ、自分が付けた振りでAが怪我するの見てられなかったんだと思う。だから言い方はキツくなっちゃったけどあいつが言ってたことの意味も分かってあげて？｣

『っ、…ぅん』

檜山｢Aは忍者に必要だよ。お荷物なんかじゃない、俺たちの真ん中に。一番近くで見てる俺たちが言ってんだから信じれるよね？」

『…こせ、ありがと…おりにごめんなさいする』

檜山｢ん、いい子だね｣

頬っぺに伝った涙をそのまま親指でやさしく掬われる。

もうちょっとだけぎゅってしてて、と彼の胸にしがみつけば優しく抱きしめてくれるから

わたしのままここに居てもいいんだって安心した。

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