World is mine (ページ25)

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居場所ページ25

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『どうしてもここはアクロバットに集中したい。
そうAが言い出したのはサマステでのJapanese Soulの演目。

グループ唯一の女の子だから動きにくくても絶対に可愛くいたい
そう言っていつも衣装には人一倍こだわって女の子らしさを追求していたけどこの曲はどうしても俺たちと上から下まで同じ衣装を着たいと強く望んだ。

星輝｢よかったの？Aいつもアイドルらしくいたいからアクロする時も足出してたじゃん｣

『うん。でも色々気にして出来ない技もあるからここはアクロに集中したい。それにどうしてもここは雰囲気壊したくない』

いつも自分の気持ちを優先させるのが下手なくせに、
今回ばかりはしっかりとした口調で自分の意思を通すA。

若干の違和感を感じながらも俺たちはAの案を採用し稽古を始めた。

元々身体能力が高いAはアクロバットもお手の物だけど、
この演目は中盤の1番疲労が溜まるタイミングでの大見せ場で正直男の俺たちでもかなりキツかった。

稽古が始まるとバテてぶっ倒れるメンバーもいる中で必死に食らいつくAは誰よりも覚悟を決めて臨んでいるようにも見えた。

安嶋｢ちょ、いっかい休憩しよ？｣

黒田｢A、さすがに体壊すって｣

全体の練習が終わっても水分も摂らないでひたすらに練習し続けるAに流石にいつもは彼女の肩を持つメンバーも心配で声をかける。

『……っ、もうちょいだけ、』

織山｢A、いい加減にしなよ｣

珍しく織山がAに強い言葉を浴びせて場の空気がピリッとする。
肩で息をしながらギロっと織山を見上げるAもいつもと様子がおかしい。

織山｢何をそんなに焦ってるの？｣

『……べつに焦ってなんて、』

織山｢みんな危なっかしくて見てらんないから声掛けてんのわかんない？水も飲まないでアクロの練習ばっかしてさ、怪我してからじゃ遅いんだよ｣

誰かが言わなきゃと思ってた言葉をストレートにぶつける織山。
ぎゅっと自分のズボンを握りしめて俯くAの顔は悔しさで歪みながらも今にも泣きそうな顔をしていた。

『……っどうせわかんないよ、わたしの気持ちなんて…っ』

ばたばたとレッスン室を出ていくA。

元木｢お前の言ってることは間違ってない。でも今のAにはちょっと重かったな？｣

織山｢…ごめん、頭に血が上って口走った｣

檜山行ってやって、と背中を押され1人彼女の後を追う。

檜山｢やっぱここにいた｣

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