World is mine (ページ24)

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黒ちゃんにお薬買ってきてもらって一時は止んだ鈍痛も
数時間経てば再び痛みを増して襲ってきた。

『……っ、』

いつもは薬を飲めば辛うじて耐えられる痛みでいられるのに今月は一段と重いのか薬が切れるのが早い気がする。

撮影を中断するわけにも行かずさりげなく自分の横腹に手を当てて何とか痛みを逃すようにさすっていると
横からすっと手が伸びてきて腰が撫でられる。

『わく、』

元木「今うつってないから大丈夫。１回座んな」

カメラから見えないように椅子へと誘導して私を座らせる湧にメンバーも察して画が繋がるように私の周りに座って話し合いを再開する。

しばらくして締めの挨拶のためにまた立ち上がろうと足に力を入れたつもりだったのに
立ちくらみがして思わずそばにいたふたりに両脇から抱えられる。

黒田「っ！わ、ぁぶな」

元木「……びびった、」

『……わぁごめん！つまずいた！！』

動画的になるべく明るめの声を出してヘラヘラ笑うと周りのトークのおかげもあって無事にその場を切り抜けられた。
無事にカットがかかりカメラが止まると気持ち的にも体的にも限界でまた2人の腕に支えられた。

元木「大丈夫、じゃねえな。顔真っ白」

黒田「我慢できたのえらかったね。次までちょっと休ませてもらお？」

ぐっと手を引かれるけどそれとは反対に重力に負ける私の体。ずるずる床に吸い込まれる。

『…ごめ、たてないっ……ん、…っ』

お腹を抑えて蹲る私にふわりとまたパーカーをかけて抱き上げる湧。

元木「すんません、次の企画俺代わりに出るんでこいつ休ませてやってもいいですか？」

スタッフ「元木くんのスケジュールが大丈夫ならそうしよう。Aちゃん、気にしなくていいから休んでね」

『…すみません、』

湧に運んでもらった楽屋に行けばいつもは荷物で溢れかえってるソファが空いていて、ブランケットまで用意しであった。
後から来た弟組が気を利かせてくれたみたいでじんわり目頭が熱くなる。

黒田「ごめんね、俺買ってきたやついつも飲んでるのじゃなかったからあんま効かなかったんでしょ？」

やーまんから聞いた、と黒ちゃんがお腹を撫でに来た。

『ううん、ちがうくて。なんか今月ちょっと重かったみたい、』

元木「撮影終わったら家まで送ってやるからちょっと寝てな」

寂しくないようにパーカーを置いて出てった湧。

みんなの優しさがあったかくてちょっと痛みが和らいだ気がした。

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