World is mine (ページ21)

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珍しくAから二人で出かけよう、と誘われて
仕事終わりに駅で落ち合うことなった。

仕事が長引いて急いでいると遠くに見えるAらしき女の子の姿。

……はぁ、やっぱりAはどこにいても良くも悪くも目立つのな。

黒田「おにーさんうちのに触んないで貰えます？」

『……っこき、』

「っんだよ彼氏持ちかよ言えよなうぜえ」

デカい声出しながら嫌がる子の腕を掴んで引っ張るのはナンパの域を越えてんのよ。ふざけんな。

背中に隠した小さい身体が震えてる。
ギュッと俺の服を握りしめるAを背中越しに感じて今にも殴りたいくらい腹が立った。

てめぇが汚い手で勝手に触れといて、
汚い言葉をAに浴びせるなんて死んだ方がいいよマジで。

口任せで罵ってやりたいけどAに聞かせたくないから脳内を駆け巡る汚い言葉は飲み込んだ。

黒田「知らない男に勝手に触られたら女の子なら誰でも怖い思いするって分かんないすか？」

必要なら警察呼びますけど、と俺の言葉にハッとしたのか小さく「…すみません」と呟いて足早にその場を去っていった。

黒田「……ごめん待たせて、怖かったしょ」

目線を落として正面から抱き直すと俺の胸に顔をつけながら何故かニコニコと笑っているA。

『黒ちゃんってやっぱかっこいーよね』

黒田「はぁ、ほんとびびったんだから……」

俺が少し大人になったのと同じように、Aも少しは大人になったのか前みたいに泣き出すことはなくなって

なれるほど嫌な思いをしたっていう点に関してはちょっと複雑だけど、この仕事をする上で積み重ねてきた経験でもあった。

『いつも守ってくれてありがとね』

黒田「どういたしまして。俺はAの番犬だからね笑
てかスタバでも入っててって言っじゃん？なんでこんな人多いとこでいい子にして待ってたのさ」

『だって～駅で待ち合わせとかもうする機会全然ないからやってみたかったんだもん』

今日はふたりでのお買い物だからデートでしょ？とまた無意識にあざとさを振りまく小悪魔ちゃん。

黒田「デートならさっきみたいに光輝って呼んでよ」

『ん～こうきは皇輝くんと被るからダメ。黒ちゃんは黒ちゃん』

黒田「それ腹立つな～笑てか昨日は深田とデートしてたじゃん浮気者」

『んふふ笑』

Aが呼んでくれたらどこへだって駆けつける。
大切な女の子を守りたいと思うのは男のプライドでもあるし……まあ番犬だしね。笑

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