World is mine (ページ17)

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檜山「A」

深田「Aちゃん、聞こえる？？」

『…っん…、ごめ、』

あたまがくらくらする。あれ、わたしどうしたんだっけ？
わたしを呼ぶみんなの声が聞こえて意識が徐々に覚醒していく。

瞼を開けると光が眩しくて余計にくらくらするから目が開けられない。なにこれ、なんか具合悪い。

元木「A、声聞こえてたら俺の手ギュッてして」

力、はいってるのか入ってないのかも分からないけど湧が握り返してくれた気がしてほっとした。

織山「ダンス中に倒れたんだよ。今マネージャー車回してるから病院行くからね、大丈夫だよ」

『…ん、わかんな、ぃ……っくらくら、する、こわぃ…っおち、そう…っ』

元木「A、大丈夫だよ。俺ちゃんとお前のこと抱いてるから絶対落ちないよ」

くらくらふわふわで全然頭が回らない。こわい。くるしい。どうしよう、息ってどう吸うんだっけ？全然わかんない…っ

『…っ、くる、し…っ』

檜山「A、ゆっくり息はいて。泣いたらもっと苦しくなるよ。大丈夫、大丈夫だよ」

頬っぺが大きい手で包まれる。この手檜山かな？
抱きしめてくれる力もより1層強まって、これは多分湧だ。

安心したら眠くなってきて私はそのまま意識を手放した。

次に目を覚ましたのは無機質な白い病室で、私の腕にはたくさんの点滴が繋がれていた。

『…？』

黒田「目覚めた？」

深田「低栄養と貧血だって。点滴入ったから元気になるってさ」

私の手を取ってにこりと微笑む黒ちゃんと深田。
目が覚めるまで待っててくれたんだ。

『…みんなは、』

黒田「湧と檜山は1日付き添って寝てないから帰らせた。うちむもさっきまでいたけど泣きすぎて過呼吸になりそうだから皇輝くんに連れて帰ってもらった笑」

私丸一日以上寝てたんだ…
そういえば最近こうやってゆっくり寝れてなかったなあ

深田「Aちゃんが倒れた時心臓止まるかと思った。ほんと大事に至らなくて良かった…」

黒田「湧がギリ反応して抱き留めなかったら頭打ってたかもよ」

『…ごめん、』

深田「湧くんも檜山くんもAちゃん倒れる前声掛けてくれてたっしょ？」

『…うん…』

ぽろぽろと流れる涙を優しく掬いながら撫でられる。

深田「もうわかったね？無理しないでこれからはもうちょっと自分の体大事にしてあげようね」

『戻ったらみんなにごめんなさいする』

ん、いい子だねと頭を撫でる深田。
ほんとに頭が上がらない。

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