World is mine (ページ16)

今日:24 hit、昨日:992 hit、合計:115,435 hit

脆弱性ページ16

・

スタッフ「うーん…、Aちゃんこっちにしよっか」

またワンサイズAの衣装が小さくなってる。
いつも泣く時は人を選ぶくせに、そんなのも気にする余裕がないくらいあの時のAは追い込まれてたんだと思う。

あれからなるべく目を離さないようにこまめに連絡とったりはしてるけど、特に変わりなく過ごしてるように見えていた

…正しくはそういう風にAが見せていたのだと気付くことになる。

ダンスレッスン中、いつもよりもばてるのが早いなとは思っていた。

元木「…A、大丈夫か？」

『…ふぅ、ん、平気…』

撮影ばっかしてたからちょっと身体なまってるかも、と肩を上下させながら水分を摂るA。
こんな男たちの中に混ざりながらもアクロバットまでこなすAはその辺の女の子より体力があるのはみんな知っていた。

檜山「ほんと大丈夫？ちょっと休憩挟もうか」

『ううん、だいじょぶ。…水飲んだら続きしよ』

そうやってへらへら笑うAを見ると俺も檜山もそれ以上は追求するのをやめた。

織山「ちゃんと見とくから、危なかったら止めるよ」

元木「ん、」

少し痩せたから体力が落ちたんだろ、と思うことにしたのが間違いだった。

滅多にミスしないAが移動で遅れた、と思った瞬間にぐらりとAの身体が傾いた。

織山「あぶない！」

全体を正面から確認してたおりがいち早くAの異変に気が付いて大きな声を出した。

それに反応して何とかAを抱き留める。

元木「しっかりしろA！」

檜山「…Aっ、A！聞こえる？」

『……っん、…っ』

みんなの焦った声がレッスン室に響く。
落ち着け、落ち着け。最年長の俺がしっかりしないとなのに、俺の腕の中でぐったりするAをみて頭が真っ白になった。

どうしよう、と思った時ぽんっと俺の肩に温もりを感じる。

皇輝「…意識はあるね、頭打ってるかもしれないから湧はあんま動かさないであげて。あじ、誰でもいいから大人呼んで来て。渉は医務室行って事情説明して来て。黒田は将聖たちお願い」

皇輝くんの指示でみんな冷静に自分の出来ることに冷静に取り掛かる。

黒田「将聖達こっちおいで、一旦外の空気吸いに行こ。A心配だけどお前ら泣いてるとAもびっくりするからね」

小田「うん…」

元木「Aなら大丈夫。な？」

抱きしめる腕に力が篭もる。
Aなら大丈夫。

・